「イチモツの不安」的中したドウデュース、ドバイでもアイビスサマーダッシュの再現…フォーエバーヤング以外が全滅でも盛り上がったドバイ狂騒曲

ドウデュース 撮影:Ruriko.I

 日曜阪神のメイン、大阪杯(G1)を2番人気ベラジオオペラが優勝した先週末。その前日の土曜夜には、ドバイのメイダン競馬場でドバイワールドカップデーが開催された。

 ドバイターフ(G1)に昨年の有馬記念(G1)で復活を遂げた武豊騎手とドウデュースのコンビ、ドバイシーマクラシック(G1)に三冠牝馬リバティアイランド、大トリのドバイワールドC(G1)には昨年との連覇がかかるウシュバテソーロが出走。国内トップクラスの精鋭が複数出走する上に馬券も発売されるレースということもあり、日本馬と相性のいいドバイを舞台に勝ち星の皮算用をしていたファンも少なくなかったのではないか。

ドウデュース、リバティアイランド、ウシュバテソーロが揃って敗戦

 だが、いざレースが終わってみると、まるで悪夢のような結末だった。

 UAEダービー(G2)こそ坂井瑠星騎手に導かれたフォーエバーヤングが、5連勝で勝利の凱歌をあげたものの、勝ち負けを期待されたドウデュースは5着、リバティアイランドは3着、ウシュバテソーロも2着と全滅。勿論、ナミュール、ダノンベルーガ、シャフリヤールなどは馬券に絡み、日本馬の意地を見せてくれたのだが、馬券の発売がなかった3レースを含む7レースでわずか1勝しか挙げられなかったことは少々意外にも映った。

「結果は残念でしたが何かと見応えあるレースが多かったです。ゴール前でクビの上げ下げだったナミュールの2着は非常に惜しかったですし、シャフリヤールも積極的なポジション取りで見せ場を作りました。

ウシュバテソーロにしてもサウジC(G1)で負けたセニョールバスカドールへのリベンジに成功していますし、力は十分に出し切った結果だと思います。ただ勝ったローレルリバーがあまりにも強過ぎましたね。ただドウデュースは不完全燃焼で残念な内容でした」(競馬記者)

昨年のリベンジに失敗した武豊とドウデュースの名コンビ

 そのドウデュースは昨年のドバイターフは直前の脚部不安で回避。1年越しのリベンジをかけて忘れ物を取りに戻ったレースだったが、道中で行き場をなくしたまま不完全燃焼の5着で入線。装鞍所で馬っ気を出したところに水を掛けられるシーンもあった。こちらについては“平常運転”らしいのだが、一抹の不安ならぬ“イチモツの不安”といったところか。

「残念ですね。不完全燃焼です。厳しいレースになりましたね。スタートも遅かったし、動きづらいポジションに入ってしまいました。状態が良かっただけに残念ですし、悔しいです。また頑張ります」

 レースをそう振り返った武豊騎手のコメント通り、スタートで出遅れて内目からリカバーを試みるも馬群がバラけないまま壁、壁、壁。最後の直線で懸命に進路を探そうと苦心したが、ほとんどまともに追えることなく終戦。ここを難なく通過するようなら、陣営から再び凱旋門賞(仏G1)に挑戦というワードも飛び出したかもしれないが、内枠を引いた時点で勝利の女神から見放されていたのかもしれない。

 ただ、それ以外でも色々な意味で盛り上がったことは確かだ。

 芝3200mのドバイゴールドC(G2)を制したタワーオブロンドンが、2019年のスプリンターズS(G1)優勝馬である日本馬のタワーオブロンドンと同じ馬名だったことや、アルクオーツスプリント(G1)なのに、アイビスサマーダッシュ(G3)が行われているのかと錯覚しそうになったジャスパークローネの大外逃避行など、まるで狂騒曲のような今年のドバイワールドカップデーだった。

 さて、今週からはいよいよ春のクラシックシーズンも到来。気温の上昇とともに競馬ファンのボルテージもますます上がっていくはずだ。

GJ 編集部

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