「ゲートに尻尾が挟まった?」2番人気が「大出遅れ」で最下位ゴール…レース後JRAから処分もファンから疑問の声。地方の現役最強馬も襲われた「あり得ない」アクシデントとは

期待の2番人気が、まさかの大出遅れ…

 6日、中山競馬場で行われた6Rの3歳未勝利で珍しいハプニングがあった。

 ニシノリアリティの出走取消があって14頭で行われたダート1800mのレースは、逃げ粘るプルメリアクヒオを1番人気のロードレヴェランスがアタマ差交わしたところがゴールという接戦だった。

 だが、そんな中で最後まで“蚊帳の外”だったのがマルチライセンス(牡3歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)だ。

 前走を2着に善戦したことで2番人気に支持されていたマルチライセンス。しかし、ゲートが開き、各馬が一斉に飛び出したところ、ゲートを出ることに手間取って大出遅れ……。「おっと、1頭、8番のマルチライセンスがゲートを……今、出ました」という実況と共に何とかゲートからは出たものの、集団から大きく置かれてしまう絶望的なスタートとなってしまった。

 結局、終始最後方でレースにほぼ参加できなかったマルチライセンスは、前から9馬身開けられた最下位でゴールしている。

 レース後、マルチライセンスが人気馬だったこともあって、ネット上の競馬ファンの間でもSNS等を通じて「スタートで終わったな」「やっちまったなあ」「あのスタートでは勝てん」「まあ、次頑張ろう」「あんな大出遅れ、久々に見たわ」などと話題に……。

 そんな中、数名のファンからマルチライセンスが「何かに引っ掛かったように見える」という声があった。特に「尻尾が引っ掛かってないか?」「後ろのゲートに挟まったのでは」など、発馬直前にゲート後方の扉を閉める際に尻尾が挟まってしまったように見えたようだ。

「ゲート後方の扉には少し隙間が設けられているので、基本的に馬の尻尾が挟まって動けなくなるようなことはありません。ただ、絶対に起こり得ないかと言えば、そうではないようで……。最近で有名な例だと、園田競馬で現役最強とも言われているラッキードリームでしょうか」(競馬記者)

地方の現役最強馬も襲われた「あり得ない」アクシデントとは

 記者が例として挙げたのは、昨年の5月に園田競馬場で行われた兵庫大賞典だ。

 単勝1.1倍の人気を集めたラッキードリームは、好位4番手からレースを進めて早め先頭から押し切ったが、最後は半馬身差まで詰め寄られる苦しいレースぶり。レース後、主戦の下原理騎手からは「後ろ扉の隙間に尻尾が挟まった。痛かったのだと思う。スタートからの行きっぷりが悪かった」と、まさかのアクシデントがあったことが明かされている。

 ただ、ラッキードリームは尻尾がゲートに引っ掛かったのではなく、尻尾が挟まれた痛みがレースのパフォーマンスに影響を及ぼした可能性が高い。マルチライセンスとは異なり、ゲート自体はスムーズに出ていた。

 無事に完走を果たしたものの、レース後にはJRAから「発走合図直後に発馬機内で膠着し、著しく出遅れました」と1か月間の出走停止、並びに発走調教再審査の処分が下されることになったマルチライセンスだが、スタートさえまともなら力は上のハズ。次回は名誉挽回となるレースを期待したい。

GJ 編集部

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