「ノーステッキ8馬身差」の圧勝劇に川田将雅も高評価! 前走は衝撃の「大差勝ち」、ヤマニンウルスに続く「怪物」登場の予感
6日の阪神5Rに行われた3歳1勝クラス(ダート1800m)は、単勝1.8倍に推されたムルソー(牡3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)が8馬身差の大楽勝。「大差」で圧勝した未勝利戦に続く独走で2連勝を決めた。
レイデオロ産駒の同馬は今年1月、京都・芝2000mでA.ルメートル騎手を背に初陣。2番人気の支持を集めたがスタートしてややアオると、道中は終始外々を回される厳しい展開となり、これといった見せ場も作れないまま10着に敗れていた。
しかし、ダート替わりとなった2戦目の前走で一変。ハナを奪う積極的な競馬で主導権を握ると後は一人旅。最後の直線に入っても脚色は一向に衰えず、後続をぐんぐんと突き放しぶっちぎった。2着馬との差は実に2秒3の大楽勝。もしかしたらとんでもない超大物なのかもしれない。
「新たな怪物」誕生の予感…ムルソーが8馬身差の圧巻V
川田将雅騎手と新コンビを組んだこの日も、前走と同じくまったく危なげのない競馬だった。ダントツの1番人気ということもあり他馬からのプレッシャーも相当のように見えたが、前半1000mを62秒8のマイペースで通過し手応え十分で最後の直線を向いた。
川田騎手は軽く手綱を促す程度だったが、後続との差がみるみる開いていく。結局直線でステッキは一度も使われることなく、ゴール前では流すような感じだったが、それでもメンバー最速の上がり3ハロン36秒4をマークし2着を8馬身ちぎってしまった。
レース後にはSNSやネットの掲示板に「ムルソー強すぎワロタ」「最後の直線は鳥肌立ったわ」「勝ち時計も相当優秀」「ぜひ東京ダービー(G1)に駒を進めてほしい」といった本馬の今後に期待するコメントがファンから多数寄せられたのも当然だったか。
「個人的にも前回のムルソーはカジノドライヴの新馬戦も彷彿とさせる衝撃的な勝ちっぷりだったので注目していたのですが、やはりホンモノでしたね。
この日の勝ちタイムである1分51秒8は、多少の馬場差こそあれ翌日に行われた古馬3勝クラス・梅田Sのそれとわずか0秒1しか差がありませんでした。新たな砂の怪物候補が現れたといってよさそうです」(競馬誌ライター)
騎乗した川田騎手はレース後「能力の高い馬で、今日もいい走りをしてくれていると思います」と、まずは順当に勝ち上がったことを評価したが、続けて「性格の難しいところがあるので、そういう面が徐々に大人になってきてくれれば」と、この先の課題についても挙げていた。
ただ、逆に言えばまだ幼い部分を残しながらもこの強さなのだから、末恐ろしい逸材であることは間違いなさそうだ。
管理する斉藤厩舎には砂でデビュー4連勝中の怪物ヤマニンウルスも在籍するが、ムルソーも1つ上の先輩と同じように突き進んで行くこととなるのか。次の走りも楽しみにしたい。