新人離れの「後方ポツン」で注目度MAX!関東のスーパールーキーが大活躍…それ以上に凄かった福永祐一調教師の記録

 もしかするととんでもない大物なのかもしれない。

 それは、先週の開催で土日両日の1日2勝を挙げ、新人で断然のトップとなる5勝目を挙げた長浜鴻緒騎手(18歳、美浦・根本康弘厩舎所属)のことである。

 今年3月にデビューしたばかりの新人は、3月9日の中山2Rで4戦目にして初勝利を手にしていた。初騎乗初勝利とはならなかったが、比較的早い時期の白星だった。

 その後は25連敗と苦しんでいたものの、6日の土曜中山1Rを6番人気ショーヴァロンスとのコンビで制して連敗脱出に成功。続く中山8Rも9番人気ネイチャーシップで穴をあけ、3勝目を手に入れると日曜中山でも勢いは止まらなかった。

穴馬でも人気馬でも新人の存在感が際立った

 中山1Rを1番人気オオゾラヒバリで制して4勝目を挙げると、今度は5Rの4番人気キューティクロームで5勝目をゲットした。4月1週目にして5勝は新人騎手で断然のトップであり、乗れる新人として関係者へのアピールに成功した。

 そんな長浜騎手の憧れる先輩は柴田善臣騎手。新人騎手を紹介するJRAの動画でも「技術的にも人としても周りから信頼があって、だからこそ続けていられると思うので、そんな騎手になりたいと思います」と語った。最も勝ちたいG1は有馬記念とのこと。この調子で勝ち星を伸ばしていけば、いずれは騎乗するチャンスも訪れるだろう。

「減量を生かした積極策で勝利したショーヴァロンスも好騎乗でしたが、特に驚かされたのはネイチャーシップです。このレースはダート2400m条件でしたが、9番人気の穴馬とあって思い切った“後方ポツン”を選択。道中最後方から徐々にポジションを上げると最後の直線で末脚を爆発させ、1番人気馬を3馬身突き放す圧勝でゴールしました。まるで横山典弘騎手のような肝の座り方でしたよ。

日曜は比較的上位人気馬でしっかりと勝っており、穴でも人気でも期待の持てそうなセンスの良さが目立ちます。また、根本厩舎所属ですから丸山元気騎手や野中悠太郎騎手、藤田菜七子騎手らが兄弟子にあたりますね。当時一般的に2人が多かった中で3人目の弟子を取ったことで根本先生は話題になりました。栗東に比べてチャンスが少ないと噂されている関東ですが、人柄の良さで知られる先生なら安心できそうです」(競馬記者)

 ちなみにデビュー年の4月1週目で5勝を挙げた騎手を確認してみたところ、直近だと2022年の角田大河騎手が同じく5勝をマークしていた。

過去の名手たちもハイペースで勝ち星を量産

 その他にも新人賞を受賞した騎手で同時期に5勝以上を挙げていたのは、藤田伸二(91年・6勝)、三浦皇成(2008年・6勝)、斎藤新(19年・7勝)など、乗れる騎手として名を響かせた先輩たちの名前があった。

 その一方で少々驚かされたのは、武豊騎手や川田将雅騎手ら後にリーディングジョッキーを獲得した名手も当時はまだまだ成長途上だった点である。

デビュー年にロケットスタートを決めた福永祐一元騎手

 実はひとりだけ名前を挙げていなかった騎手がいるのだが、それは福永祐一元騎手(現調教師)。前述した騎手たちが一桁台の勝利に対し、福永騎手はなんと12勝というとんでもない勝ち数を挙げていたのだ。

 もちろん、名手福永洋一の息子として関係者から多大な援護射撃があったことは想像に難くないが、今後これほど短期間に勝利を挙げる騎手が出てくるかとなると、あまりにも高過ぎるハードルだろう。

GJ 編集部

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