【週末重賞ピックアップ】皐月賞前に一勝負? 大荒れ期待のアーリントンCと安定傾向継続中のアンタレスS【激走候補4頭】

撮影:Ruriko.I

 春の嵐も一段落といったところか。先週土日の2日間で中山・阪神で3つの重賞が行われたが、その結果は比較的平穏な決着が続いた。

 まず土曜に中山で行われたニュージーランドT(G2)は、3番人気のエコロブルームが優勝。石橋脩騎手9番人気のユキノロイヤルが3着に逃げ粘ったものの、2着が1番人気のボンドガールだったため、3連単は4万8790円と高額配当とは言い難い結果に終わった。

 また土曜阪神は阪神牝馬S(G2)が1番人気→4番人気→3番人気の順当な決着。翌日の桜花賞(G1)も2番人気のステレンボッシュが優勝し、1番人気アスコリピチェーノが2着。3着に7番人気のライトバックが入ったものの、3連単でも配当金は1万1470円と比較的平穏な決着だった。

 だが穏やかだった先週とは違い、荒れそうな気配がプンプンするのが、土曜中山のアーリントンC(G3)だ。

 2018年から開催時期が4月に移り、NHKマイルC(G1)のトライアルとなったが、19年には1着12番人気→2着7番人気→3着11番人気と大波乱。3連単は100万馬券となった。さらに21年も1番人気→10番人気→7番人気で3連単は21万円超えと、4月に移動した過去6回で2度も夢の高配当が飛び出している。

アーリントンC(G3)「激走候補」2頭

 今回は19年とまでいかなくとも、21年の再現は十分期待できそうだ。なかでも押さえておきたいのは、重賞初Vを狙うジュンヴァンケット(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)である。

 キャリア1戦での重賞挑戦となったが、初戦は2着馬に5馬身差をつけて圧巻の勝利を収めた。最後の直線で外に出されると、岩田望来騎手の檄を受けて一気に加速。最後は鞍上が後ろを振り返る余裕を見せるなど、期待以上の勝ちっぷりだった。

 前走後も在厩で調整されているが、スタッフも「変わりなく順調。テンションを考慮して直前は軽めでしたが、フットワークの質は良かったです」と状態がいいことをアピール。「最低でも権利を取ってNHKマイルCへ」と強気な言葉が出たようにここは通過点といわんばかりだ。
 
 連穴の1頭として挙げたいのはグローリーアテイン(牡3歳、美浦・金成貴史厩舎)だ。

 前走の3歳1勝クラス(芝1600m)では前目に付けて3着に終わったが、スタッフは、「逃げると考えていた馬が控えたため逃げる形になりました。前に壁を作れていたら、もっと際どい競馬になったと思います」と明かす。想定とは違う展開になったものの、3着に入ったのだからその実力は証明されたといっていい。

 前走のダメージは残っていなかったこともあり、放牧には出されず、アーリントンCを目標に調整された。前出のスタッフも「今回はある程度流れも速くなるでしょうし、どれだけやれるか楽しみです」と笑みを浮かべる。

アンタレスSの「激アツはこの2頭?」

 その一方、先週同様落ち着いた決着を見せる傾向にあるのが、日曜の阪神で開催されるアンタレスS(G3)。ここは2014年以降、1番人気【4.2.1.3】、2番人気【2.2.3.3】、3番人気【2.2.1.5】と、かなり堅い結果に終わっている。今回も上位人気からの取捨選択が無難かもしれない。

『netkeiba.com』が公開している単勝予想オッズでは、実績十分のハギノアレグリアス、ダート転向後好調なヴィクティファルスが人気を集めている。それら以外で押さえておきたいのが、三冠牝馬ジェンティルドンナの半弟スレイマン(牡6歳・栗東・池添学厩舎)だ。

 デビューから芝で連敗を喫し、3歳夏からダートへ転向。その初戦では1秒9差の大差勝ちを収めた。その後は2着を1度挟んだものの、自己条件を3連勝してオープン入りを果たしている。

 オープン、リステッドでは足踏みをしたものの、前走の門司S(OP)で念願の勝利。2着を4馬身差離し、約1年8カ月ぶりに勝利の美酒に酔った。この勝利で賞金を加算できたことで、ローテーションも楽になったようだ。

 前走後はノーザンファームしがらきに放牧に出されたものの、現地で順調に乗り込まれて帰厩。当初はオアシスS(L)を予定していたが、状態の良さも見込まれ、1週早めての出走となった。「しっかり負荷をかけた調教ができています。問題なく仕上がりましたのでレースが楽しみです」とスタッフも胸を張る。

 もう1頭、名前を挙げたいのは切れ味鋭い末脚を持つホウオウルーレット(牡5歳、美浦・栗田徹厩舎)。昨年10月以来勝ち星から遠ざかっているが、最近はいつになく毛ヅヤもよく好調の様子。「後方待機から勢いをつけて上がれる阪神のダート1800は打って付けの舞台。一発を狙っているんですよ」と栗田師も自信をのぞかせている。

 波乱も期待できるアーリントンCか、安定傾向にあるアンタレスSか。皐月賞(G1)の軍資金稼ぎにもってこいのレースとなりそうだ。

GJ 編集部

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