【日本ダービー】武豊「何とか間に合いました」キタサンブラック弟と挑む最多7勝目…乗り替わりでも不気味なエコロヴァルツの底力

武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 先週末の土曜東京メイン、青葉賞(G2)は武豊騎手が騎乗した2番人気のシュガークン(牡3、栗東・清水久詞厩舎)が優勝。2着に入ったショウナンラプンタとともに日本ダービー(G1)の優先出走権を手に入れた。

 先頭でゴール板を通過したときからレジェンドは早くも満面の笑み。自身の公式サイトでも「大一番へ向けて楽しみな持ち駒が1頭ではないというのは心強い」と期待の言葉を残していた通り、1着という最高の結果でチャンスを手繰り寄せた。

会心の勝利に笑みの絶えなかった武豊騎手

 レース後の勝利騎手インタビューで「血統がいいですね。まず」と答えたのも兄にキタサンブラックのドゥラメンテ産駒という意味だろう。兄は父が春二冠を制した日本ダービーで14着に大敗したが、上り調子で大一番に挑む弟は好走するだろうか。

 ただ、新たにシュガークンとのコンビでダービー最多7勝目を狙うことが発表されたため、皐月賞(G1)で7着に敗れたパートナーのエコロヴァルツ(牡3、栗東・牧浦充徳厩舎)の鞍上が宙に浮く格好となったのは気になる。

「敗れはしたものの、個人的には皐月賞のエコロヴァルツはダービーに向けていい内容だったと思いました。結果的に前にいた馬に有利な展開でしたし、最後の直線は最後方から上がり3ハロン最速タイとなる33秒9の末脚で追い込んできました。

共同通信杯(G3)で折り合いの難しさを露呈しましたが、皐月賞は朝日杯フューチュリティS(G1)と同じく直線一気の競馬。直線の長い東京コースでこそこれまで教えてきたことが生きるのではないかと感じていました」(競馬記者)

 こちらについては武豊騎手も先述の公式サイトで「控えて末脚にかける競馬は、今回やりたかったテーマ」「最低限、ダービーに繋がる競馬はできた」と手応えを掴んでいたはずだった。

 それでも「これだけの馬なので、デビューの時からダービーに出したいと言っていて、なんとか間に合いましたね」と振り返ったシュガークンの魅力が上回ったということだろう。

 本馬を管理する清水久調教師も「体力はかなりなものを持っていると思います。まだ経験も浅く、デビューして間もないなかで、これだけ結果を残せているので、さらに来年、再来年と楽しみがあると思います」とこれからの成長に自信を隠さなかっただけに、もしかしたら武豊騎手も、現在の完成度より将来性を含めたスケールの大きさを優先したのかもしれない。

将来性魅力のシュガークン、実力馬エコロヴァルツの対決も魅力

エコロヴァルツ 撮影:Ruriko.I

 だが、目前に迫った日本ダービーで好走するには、克服すべき課題は残っている。

 というのもローテーション的に間隔が詰まっているからだ。

 2015年1月東京にデビューした兄は3連勝ののち、皐月賞3着を挟んで日本ダービーに出走したが、最後の直線で2番手からズルズルと後退して14着に大敗。月1走ペースの駆け足で出走に漕ぎつけたこともお釣りがなくなった一因と考えられる。

 そういう意味でシュガークンは、デビューした今年の2月に2走、そこから3月4月と使われて日本ダービーは1か月後の今月26日。兄キタサンブラック以上に過酷なローテーションとなる可能性がある。

「勝ちタイムの2分24秒2(良)は平凡でしたし、どちらかというと馬の強さよりも武豊騎手の好判断好騎乗が目立った内容でした。ただ操縦性の良さは目を引きましたね。前進威勢が強く、気性面に脆さのあるエコロヴァルツよりも乗りやすさは上でしょう」(同)

 本番までのゆとりではエコロヴァルツに分がありそうだが、こちらはこちらで鞍上問題を避けられない。デビュー戦で騎乗したM.デムーロ騎手も代役候補の一人に挙げられそうだが、はたしてどの騎手にお呼びがかかるだろうか。

 レジェンドにフラれたエコロヴァルツ陣営としても、選択が誤りだったことを証明したいところだ。

GJ 編集部

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