【オークス】チェルヴィニア「30年間勝利なし」の絶望もC.ルメールなら!? 「死に枠」を覆した有馬記念の伝説
オークスの「6枠」は過去30年勝利なし
16日、オークス(G1)の枠順抽選が行われた。
前走の桜花賞(G1)で4番人気に推されながら13着と大敗を喫したチェルヴィニア(牝3歳、美浦・木村哲也厩舎)は6枠12番に決定。鞍上に前走以外の全レースで手綱を握ったC.ルメール騎手を再び迎え、樫の女王をめざす。
そんなチェルヴィニアが引き当てた6枠12番という枠、一見すると先行を得意とする本馬にとって内すぎず外すぎない上、ダッシュのつきやすい後入れ偶数番であるため抜群の良枠を引いたように見える。
だが、ことオークスに関しては「引いてはいけない」枠かもしれない。
過去30年、6枠から勝った馬はなんとゼロ。2着に広げてみても、たった2例しかない。最も多い2、7枠が7勝していることからも、その不振が際立っている。いわゆる「死に枠」なのだ。
これだけでも苦しいのだが、彼女に追い打ちをかけるようなデータが存在する。それは「グレード制が導入された84年以降、前走二桁着順で勝利した馬はメイショウマンボだけ」というものだ。桜花賞で13着だったチェルヴィニアには厳しいデータだ。
ただ、そんなチェルヴィニアには心強いバックアップがある。主戦のルメール騎手と木村調教師だ。
ルメール騎手×木村調教師といえば、何と言っても昨年の年度代表馬イクイノックスの存在が光る。実際にこのコンビの勝率は30%を超えるなど、非常に相性の良い組み合わせだ。加えてルメール騎手のオークス3勝は、武豊騎手と並ぶ現役最多勝。彼女が背中を託す相手は、オークスでの勝ち方を最もよく知る騎手の一人と言っても過言ではない。
また、木村調教師が共同会見で「東京コースはポジティブな要素しかない」と自信を見せていた通り、チェルヴィニアは左回りの直線が長い東京、新潟では連対率100%と完全無欠の戦績を誇っている。
また、父がイギリスの2400m戦で破壊的な勝ち方をしたハービンジャー、母は2016年のオークスで2着に好走したチェッキーノと、前走から800mの距離延長は歓迎。右回り1600mだった桜花賞から大きく条件が好転する。
「死に枠」を覆した昨年有馬記念の伝説
昨年末の有馬記念(G1)、ルメール騎手に背中を預けたスターズオンアースが過去1頭も馬券に絡んだことがない死に枠「8枠16番」から2着激走したことは記憶に新しい。奇しくも、その時と同じ騎手で死に枠を引いたチェルヴィニア。迎える結末は通例だろうか、例外だろうか。