「単勝215.4倍」で大激走した“アノ馬”を彷彿? J.モレイラも将来性を高評価…突如現れた「新星」はラスト一冠参戦となるか
14番人気ランスオブクイーンが5着に好走!
チェルヴィニアとC.ルメール騎手のコンビが優勝した今年のオークス(G1)。前走・桜花賞(G1)だった馬が上位4着までを占めており、王道路線組が実力を示す結果となった。
そんな中、別路線からの参戦で唯一掲示板となる5着に入った14番人気ランスオブクイーン(牝3歳、栗東・奥村豊厩舎)の好走には驚かされた。
同馬の前走はなんと未勝利戦。デビュー4戦目にしてようやく初勝利を挙げると、そこから中2週で樫の舞台に参戦。やや間隔が詰まっていた上、大外18番枠からの発走、単勝万馬券という超人気薄だったからだ。
しかし道中は果敢に先行すると、大逃げを打った前2頭を見る3番手の位置。直線入り口で押し出されるように先頭に立つと、チェルヴィニア、ステレンボッシュには差をつけられたものの、最後までライトバック、クイーンズウォークと熾烈な3着争いを演じていた。
SNSやネット掲示板にはレース後「ランスオブクイーン惜しかった」というねぎらいの言葉はもちろん、「秋華賞(G1)チャンスあるのでは」「秋華賞◎ランスオブクイーン」といった、牝馬三冠の最終戦で早くもランスオブクイーンを狙おうとするファンのコメントも見られていた。
「今年のオークスは先行馬に厳しい展開となり、逃げたヴィントシュティレとショウナンマヌエラ、3番手のタガノエルピーダはそれぞれ18、17、16着に大惨敗。そんな中でランスオブクイーンは道中、タガノエルピーダと並ぶ位置にいましたが、最後まで粘り通したのですから立派でした。
未勝利戦を勝ったばかりでしたが、その前走は2着に2馬身半差をつける完勝。乗っていたJ.モレイラ騎手も『さらに良くなりそうな感じ』と本馬の将来性を評価していました。今回はチューリップ賞(G2)の覇者スウィープフィートに先着しましたし、秋に期待する声がファンから聞かれるのも納得です。
また個人的にランスオブクイーンの好走は、2021年のハギノピリナを彷彿とさせましたよ」(競馬誌ライター)
オークス激走も…秋華賞の舞台に立てなかったハギノピリナ
ライターが名前を挙げたハギノピリナは、3年前のオークスに出走。1勝クラスを勝ったばかりということもあり単勝215.4倍の超穴馬だったが、最後の直線で上がり3ハロン2位タイとなる34秒3の切れ味で3着に好走。三連単53万円オーバーの波乱を演出したことを覚えているファンも少なくないだろう。
勝利したユーバーレーベンから0秒1差、2着で後に秋華賞馬となるアカイトリノムスメとはわずかハナ差だった。ラスト一冠でハギノピリナに期待する声も多く聞かれたが、いかんせん2勝クラスの馬。オークス以来の出走となった紫苑S(G3・当時)で秋華賞の権利取りに挑むこととなった。
しかし、ここで8着に敗れ出走権を取り逃すと、最終的に秋華賞は見送り。オークスで3着に好走した馬にもかかわらず、秋の大舞台でその姿を見ることが叶わなかったのである。
そんなハギノピリナよりもランスオブクイーンはさらに収得賞金が少ないだけに、秋華賞を目指すのであれば賞金の上積みやトライアルでの権利取りが必須となってくるだろう。果たして、その姿は牝馬三冠最終戦で見られるだろうか。