アーモンドアイ一蹴した名牝の血が宝塚記念前に激突!ハナ差の激戦を制したのは川田将雅と弟のコンビ
9日の京都競馬場で行われた6Rの3歳未勝利戦。18頭のフルゲートで争われた芝1800mの一戦を制したのは、川田将雅騎手が騎乗した1番人気のエボルヴィング(牡3、栗東・藤原英昭厩舎)。昨年12月のデビュー戦から前走の未勝利戦まで2着が続いたが、3戦目にして初勝利を手にした。
宝塚記念前にリスグラシューの近親対決が実現
その勝ち馬を上がり最速33秒9の末脚でハナ差まで追い詰めたのが、松若風馬騎手が騎乗した4番人気シュヴェルトリリエ(牡3、栗東・矢作芳人厩舎)。両馬が横一線に並んだゴール前の壮絶な叩き合いは写真判定の結果、エボルヴィングに軍配が上がった。
重賞でもなく3歳未勝利戦に過ぎなかったこのレースだが、血統的に魅力のある2頭の対決となった点はファンの興味を引いた。
というのも勝ち馬のエボルヴィングの母はリリサイド、2着のシュヴェルトリリエの母母もまたリリサイドだったからである。勘のいい読者は既にお気づきだろうが、リリサイドといえば名牝リスグラシューの母として知られる馬。つまり、リスグラシューの全弟と初仔の対決だったわけだ。
春のクラシックへの参戦は叶わなかったものの、リスグラシューが晩成タイプだったように、成長力に定評のある母系は魅力。今後の活躍次第では、秋の重賞挑戦や大舞台も視野に入ってくるかもしれない。
宝塚記念前に近親2頭の対決で名前の挙がったリスグラシューだが、本馬は古馬になって本格化を迎え、4歳秋にエリザベス女王杯(G1)を制して初G1制覇を成し遂げ、翌19年の6月に宝塚記念を快勝。10月には豪州のコックスプレート(G1)も優勝し、ラストランの舞台となった有馬記念(G1)でアーモンドアイを一蹴して有終の美を飾った。
あのアーモンドアイも有馬記念は惨敗
現役時代に芝G1・9勝の偉業を達成したアーモンドアイだが、9勝中6勝を東京競馬場で制した東京巧者。宝塚記念に出走したことはなく、19年の有馬記念がグランプリ初挑戦だったものの、単勝1.5倍の圧倒的支持に応えられず9着に完敗した。こういったことも歴代最強牝馬として突出した実績を持ちながら、パーフェクトとは言い切れない一面といえるだろう。
近年で有馬記念と宝塚記念の両グランプリの連覇は、先述のリスグラシュー(19年宝塚、有馬)、クロノジェネシス(20年宝塚、有馬、21年宝塚)、イクイノックス(22年有馬、23年宝塚)らが成功。今年は昨年の有馬記念を優勝したドウデュースにグランプリ連覇の期待がかかる。