【さきたま杯(G1)展望】ダート王・レモンポップ登場! 坂井瑠星「一番の敵は…」小回り適性でシャマル、イグナイターらに逆転の可能性あり

レモンポップ 撮影:Ruriko.I

 19日、浦和競馬場で開催される「さきたま杯」に昨年のJRA最優秀ダートホース・レモンポップ(牡6歳、美浦・田中博康厩舎)が登場することが話題になっている。

 5月に行われたかしわ記念(G1)、5日に行われた東京ダービー(G1)、そして26日に行われる帝王賞(G1)といったビッグレースに挟まれる形で、あまり存在感のなかったさきたま杯。

 だが、JRAと地方競馬がぶち上げた「ダート革命」の一環として今年からG1に昇格。浦和開催としても、常時1400mで開催されるG1としても日本初となる。

 あまり目立っていないさきたま杯だが、昨年の勝ち馬イグナイターは同年のJBCスプリントでG1初制覇。また、3年前の勝ち馬アルクトスも同年の南部杯(G1)を勝つなど、縁起のいいレースでもある。さっそく展望していこう。

ダート王レモンポップ断然も「最大の敵は…」

 注目は、何と言っても冒頭で挙げたレモンポップだ。

 昨年はフェブラリーS(G1)とチャンピオンズC(G1)を制し、統一ダート王に輝いたレモンポップ。今年の始動戦となったサウジC(G1)では12着に大敗したが、5勝2着2回の連対率100%を誇る1400mへの距離短縮は明らかにプラスだろう。大本命として、負けられない一戦を迎えることになる。

 ただし、レモンポップにおける1400mの5勝は、すべて最後の直線が約500mを誇る東京コースで挙げたもの。最後の直線が220mしかない今回の浦和は「別世界」と言っても過言ではなく、主戦の坂井瑠星騎手も「一番の敵はコース形態」と警戒を強めている。コンビを組んでからは日本国内では無敗。伸び盛りの鞍上のエスコートも見所の1つになりそうだ。

小回りならシャマル&イグナイターが逆転可能?

 そんなレモンポップを脅かす存在になりそうなのが、抜群のスピードと小回り適性を誇るシャマル(牡6歳、栗東・松下武士厩舎)とイグナイター(牡6歳、兵庫・新子雅司厩舎)だ。

 昨年のかしわ記念で1番人気に推されながらも4着に敗れるなど、G1ではあと一歩が足りなかったシャマル。しかし、今年は最後の直線約230mの黒船賞(G3)を快勝すると、勢いそのままに、かしわ記念で待望のG1初制覇。G1馬として統一ダート王に挑戦状を叩きつけることが叶った。

 レモンポップには及ばないものの、こちらもダート1400mは4勝を挙げる得意舞台。短い直線を上手く立ち回れば逆転も見えてくるはず。この馬に並々ならぬ思い入れがある主戦・川須栄彦騎手の手綱にも注目だ。

地方年度代表馬として負けられない前年王者


 昨年の覇者イグナイターも当然、最有力候補の一角だ。昨年の南部杯ではレモンポップに大差をつけられる完敗を喫したが、次走のJBCスプリントでG1初制覇を飾ったように、マイルは少し長い印象。昨年のさきたま杯勝ちも然ることながら、計7勝を誇る1400mはベストといえる舞台だ。

 今年からG1に昇格し、昨年を上回るメンバーが集った印象だが、2年連続でNARの年度代表馬に輝いた誇りを胸に、ここは譲れない戦いになる。

ハナを切れば一発があるサンライズホーク


 G1馬3頭を相手に一発の魅力を秘めているのが、サンライズホーク(セン5歳、栗東・牧浦充徳厩舎)だ。

 昨夏までは一介のオープン馬に過ぎなかったサンライズホークだが、M.デムーロ騎手と出会って逃げ馬に転身。サマーチャンピオン(G3)、兵庫ゴールドT(G3)、そして今年2月のかきつばた記念(G3)と破竹の重賞3連勝で一気にG1戦線に浮上した。

 前走の黒船賞はシャマルを相手に単勝1.6倍の大本命に推されたが、まさかの失速。最大のライバルにハナを譲ってしまった結果、11着に大敗している。前述した兵庫ゴールドTを2番手から勝利しているが、やはりハナに立ってこそ本領の馬。シャマルを含め相手は揃ったが、サンライズホークとデムーロ騎手のやることは1つだ。

展開が有利に働きそうなタガノビューティー


 主導権争いが激化するなら、最後の直線でこの馬の末脚が威力を発揮する。展開利が見込めそうなタガノビューティー(牡7歳、栗東・西園正都厩舎)も、ここはチャンスだろう。

 先行有利なダート競馬の中で、タガノビューティーの末脚は異彩を放つ極上の切れ味だ。脚質的に勝ち味に遅い面は否めないが、かしわ記念で2年連続2着するなど、ハマった時の破壊力はG1級。

 レモンポップを筆頭にシャマル、イグナイター、サンライズホークと有力な逃げ・先行馬が揃っているだけに、ペースが落ち着くことはないだろう。この馬を知り尽くす主戦・石橋脩騎手の仕掛けのタイミングにも注目したい。

浦和1400mの鬼、地元アマネラクーンの見せ場に期待


 他にも昨年の3着馬バスラットレオン(牡6歳、栗東・矢作芳人厩舎)も出走するなどJRA勢が圧倒的に優位だが、地方勢からは前哨戦を制した地元・浦和のアマネラクーン(牡7歳、浦和・小久保智厩舎)の名を挙げておきたい。浦和の1400mは計15勝を誇る“鬼”である。

 今年からG1昇格を果たしたさきたま杯は19日(水)の17時45分に発走を迎える。

GJ 編集部

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