カラ馬「大暴れ」で200万馬券の大波乱!? 坂井瑠星「不利がなければ…」1番人気筆頭に被害馬続々

画像はイメージ

まさかのアクシデントで大波乱決着

 JRAでは先週末から福島と小倉開催がスタート。本格的な夏競馬に突入した。

 29日に行われた3回小倉の初日はやや荒れ模様で、12レース中8レースで万馬券に。特に4R・3歳未勝利(芝1800m)では、三連単がこの日の最高額となる209万馬券が飛び出す大波乱となった。

 ただ、そのレースでは道中2度も危険なシーンがあった。

 正面スタンド前からスタートした一戦は、序盤からヘルト(牡3歳、栗東・森秀行厩舎)とスターアドミラルが激しいハナ争いを展開。コーナーワークで内のヘルトが主導権を握った。

 前半3ハロン通過が35秒9の平均ペースで流れ、隊列もほぼ定まった中、2コーナーで1度目のアクシデントが起こる。

 ハナを切っていたヘルトが2コーナー入り口付近で突如、外に逃避。バランスを崩した鞍上の橋木太希騎手が落馬してしまったのだ。芝に転がった橋木騎手は、4番手集団の外目を走っていたアルゴナヴィスと接触しかけたが、同馬がジャンプして何とかこれを回避。永島まなみ騎手の危険を察知する好判断もあって、事なきを得た。

 橋木騎手は落馬後すぐに立ち上がっており、JRAもレース後に「異状なし」と発表。ただし、2コーナーでの御法(外側に逃避された)について戒告の処分を受けている。3月のデビューから騎乗機会が50回ほどのルーキーだけに、馬な急な動きにうまく対処することができなかったか。

 そしてレースはその後、カラ馬となったヘルトが終始“主導権”を握ることになる。

 向正面で一度は隊列から大きく外へ離れていたヘルトだが、再加速して3コーナーまでにハナを再奪取。3コーナー過ぎからは、エリカエレガンテと馬体を併せて4コーナーをカーブした。

 迎えた最後の直線で2度目のアクシデントが起こる。

坂井騎手「不利がなければ…」

 無人のヘルトが再び外に逃避するように斜行。すぐ外にいたエリカエレガンテがその影響をモロに受ける形となった。さらに2頭の直後にいたシュヴェルトリリエとコスモベラエステラも、回避行動を取らざるを得なかった。

「カラ馬はどういった行動をするのか読みづらいため、近くを走る騎手はレースよりも安全を重視せざるを得ません。エリカエレガンテは和田竜二騎手が落ち着いて対処したことで落馬はありませんでしたが、本馬を含めた3頭が致命的な不利を受け、減速せざるを得ませんでした。

特に1番人気に支持されていたシュヴェルトリリエは、突き抜けていてもおかしくない脚色だっただけに悔いの残るレースになってしまいました。鞍上の坂井瑠星騎手も『不利がなければ、もっと際どいレースでした』と嘆き節でしたね」(競馬記者)

 最後は、カラ馬のヘルトが再び体勢を立て直して真っ先にゴール板を駆け抜けたが、もちろん結果は競走中止。結局、直線で内目を走り斜行の影響を受けなかったサダメが勝利し、不利をギリギリで回避したナムライリスが2着。内ラチ沿いをスルスルと伸びた14番人気の伏兵レッドアスールが3着に入り、三連単は209万8460円の高配当となった。

 ちなみに勝ったサダメの幸英明騎手は最後の直線で内側に斜行したことについて過怠金1万円、2着ナムライリスの松若風馬騎手はムチの使用について戒告が科されている。競馬にはこういったことが付き物だが、後味の悪い結末となってしまったことは間違いない。全人馬にケガなどがなかったことは不幸中の幸いだったともいえるだろう。

GJ 編集部

真剣勝負の裏にある真実に切り込むニュースサイト「GJ」の編集部です。これまで作成した記事は10000本以上。競馬歴10年超えの情報通が業界の「しがらみ」を取り払った「本音」や「真実」にも臆することなく、他のサイトとは一線を画したニュース、サービス提供を行っています。

真剣勝負の真実に切り込むニュースサイト「GJ」

Twitter:@GJ_koushiki

Instagram:@goraku.horse.racing0505

関連記事

JRA最新記事

競馬最新記事

人気記事ランキング 11:30更新

競馬

総合

重賞レース特集
GJ編集部イチオシ記事
SNS