【札幌記念】ハープスターVSゴールドシップのスーパースター対決! 予想とは逆の展開にスタンドはやんややんやの大喝采!【東大式必勝馬券予想】

東大式必勝馬券予想

スーパースター対決となった2014年

 今週末は真夏の大一番「札幌記念」(G2・芝2000m)。

 設立の昭和40年から昭和63年まで札幌に芝コースがなかったが、皐月賞馬マーチスが二刀流で連覇したり、ハイセイコーの息子ライフタテヤマが“無敵のダート王”の冠を戴いた。

 芝開催となってからは連続優勝のエアグルーヴを筆頭にセイウンスカイ、テイエムオーシャン、ファインモーション、ソダシら“さすがG1馬”の貫録勝ちに加え、メジロパーマー、ヘヴンリーロマンス、トーセンジョーダン、ノームコアら“ここを勝って予想外の大躍進でG1馬に”のケースも多々あり、秋冬・翌年の勢力図の分水嶺となる必見のレースである。

 去年は、天馬トウショウボーイがグレートセイカンに一蹴されたレースを書いたが、今年はちょうど10年前の2014年、皆さまも記憶に新しい大一番を書いておこう。

 単勝1.8倍の断然1番人気は3歳時に皐月賞・菊花賞・有馬記念を制し、4歳時に続き宝塚記念を連覇したばかりの5歳ゴールドシップ。挑むのは3歳牝馬で桜の女王ハープスター。祖母は “こと座の一等星”ベガで、素質を見込まれた孫は、こと座=the Harpからその名を戴いた。余談だが祖母の好敵手“ベガはベガでもホクトベガ”は1994年の札幌記念勝ち馬である。

 産まれた時からスターの座が宿命となったハープスターは期待にたがわず新馬、新潟2歳S(G3)をあっさり連勝。後方一気、閃光のような末脚を魅せてスターダムを駆け上がる。

 阪神ジュベナイルF(G1)ではレッドリヴェールをハナ差とらえきれず2着も人気は大沸騰、チューリップ賞(当時G3)、桜花賞(G1)は単勝1.1倍、1.2倍で、もうダメかという位置から痺れる鬼脚を繰り出し優勝。同1.3倍で迎えたオークス(G1)は、またも差して届かずの2着(1着ヌーヴォレコルト)だった。

 しかし、スーパースターの素質を疑わない陣営は、凱旋門賞(G1)へのステップレースとして札幌記念参戦を表明。冷静になったのは競馬ファンの方で、年長の“芦毛の怪物”には敵わないだろうと五冠馬ゴルシが単勝1.8倍の1番人気、ハープスターは3.7倍と生涯初の2番人気、昨年のジャパンC(G1)のイクイノックス(1.3倍)VSリバティアイランド(3.7倍)のようなお手並み拝見モードとなった。

 ロゴタイプ(皐月・安田)、ホエールキャプチャ(ヴィクトリアM)といったG1馬も交え、晴れ良馬場の下、14頭のゲートは開く。勢いよく飛び出したのは3番人気で前年の勝ち馬トウケイヘイロー、2番手はロゴタイプ、1000m通過は58秒4のややハイペース。後方2番手がハープスター、ゴールドシップは離れたしんがり追走で観客はどよめく。

 しかし、3コーナーを回ったところでハープ&ゴルシが一気に仕掛け直線では2頭が抜け出すもハープが前、ゴルシが追うという予想とは逆の展開にスタンドはやんややんやの大喝采!

 結局52キロVS 57キロという斤量差もあったが、桜の女王が五冠馬を3/4馬身押さえたところがゴール。「スーパースターの私には怪物退治なんて簡単よ!」とハープスターが胸を張っているように私には見えた。彼女はその後、凱旋門賞6着、ドバイシーマクラシック(G1)8着と世界制覇の野望は叶わぬままターフを去るが「稀代のスーパースターが最後に勝利したベストレース」として諸兄も記憶されたい。

不動の軸には昨年の覇者プログノーシス!

 この辺で「東大馬券王の大よそー」に移ろう。

 東大式鉄則“札幌記念はG1好走馬を狙え”から思い切って“イクイノックスを破った1頭、皐月賞馬ジオグリフを狙いたい。

 同コースの札幌2歳Sを勝っているのも好材料。単穴が走るか走らないか走ってみないとわからないダービー馬・シャフリヤール。今年のドバイシーマクラシックで三冠女王リバティアイランドに先着したのは驚いたが、それも実力。ただこの馬、買うと来ないんだよな~。

 不動の軸には昨年の覇者プログノーシス。ヒモ候補1番手に芝でもダートでも海外でも2、3着するドゥラエレーデ。ホープフルSを制したG1馬であることもお忘れなく。プログ~ドゥラの2頭軸三連複を基本に、ジオグリフ&シャフリ頭でプログ2・3着の3連単も大勝負!

 しかし、札幌記念は秋のG1戦線への勉強レースに留め、私が待ち遠しいのはハープスターの仔、ヴァルチャースター(父は新種牡馬サートゥルナーリア)のデビュー。ヴァルチャーの名はベガ=アラビア語で降りている鷲からの連想だそうだ。スター=星の物語は競馬界に燦然と受け継がれてゆく。

尼崎昇

初めて見たダービー馬はタニノハローモア。伝説的な名馬の走りをリアルタイムで見てきた筋金入りの競馬通は「当たって儲かる予想」がモットー。過去に東京大学で競馬研部長をつとめ、スポーツ新聞やラジオ解説を担当した勝負師の素顔は「隣の晩ごはん」や「おもいッきりテレビ」などの大ヒット番組を手掛けたキー局の元敏腕プロデューサー。德光和夫、草野仁ら競馬界の著名人との親交もあり、競馬談義を繰り広げる仲である。

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