【キーンランドC(G3)】ナムラクレアが不動の軸も「夏競馬 大本命が よくコケる」5戦5勝の洋芝巧者に配当の妙【東大式必勝馬券予想】
今回は小倉サマージャンプの思い出
“観測史上最も暑い夏”終盤の今週末は3場で3重賞が組まれているが、今回は「小倉サマージャンプ」(G3・障害・芝3300m)に触れてみたい。
「小倉~なのに中京開催」、しかも暑熱対策で「重賞なのに第4R」である。手元にある青春18きっぷで東京駅を早朝5時20分に出発すれば、普通列車を乗り継ぎ豊橋からは名鉄で中京競馬場前に11時12分着。走れば11時20分の発走に間に合うな。(ただし馬券はネット投票)
儲かったら、帰路は名物サウナ・ウェルビー栄で疲れを癒やして新幹線だ。負けて財布にお金が無くなっても青春18各駅旅で当日中に東京に帰って来られる。1日中乗ってたった2410円、ありがたや。
小倉SJは1999年、障害にもグレード制が導入されたことに伴い創設された比較的新しい重賞だ。
2011~2014年には高田潤騎手がJRA史上2例しかない「異なる4頭で4年連続重賞制覇」の偉業を達成している(他には平地の武豊・シンザン記念のみ)。その直後の2015年に鞍上・林満明騎手で勝ったアップトゥデイトが思い出の1頭である。
2012年の七夕、中京ダート1400mの新馬戦で、後のダートG1馬クリソライトを下し初戦を飾ったアップ君は、続く中京2歳S(OP)7着の後、ヤマボウシ賞(1勝クラス)を快勝し、園田・川崎のダートグレード競走を2、3着する。
だが、明け3歳から4歳夏まで12戦連続敗戦……しまいには掲示板(5着以内)にも載らなくなり、陣営は障害転向を決断している。
東大式鉄則「平地力のある障害馬は出世する」に違わず、入障2戦目で2.5秒差の圧勝。5歳になり中山グランドジャンプ(G1)を大差のレコードであっさり勝ってしまう。こうなりゃ暮れの大障害も、というわけで両G1中間の暑い盛りに一走挟んできたのが「小倉サマージャンプ」だった。
1番人気を前々年の覇者オースミムーンに譲っているが、今から思えばファンの目は節穴だったか? 東大式鉄則「障害レースは実績・格より今の勢い」を覚えておいていい。
苛烈な太陽の下、良馬場で9頭のゲートは開く。好スタートを切り、逆回りでハナを奪ったのはメイショウゼロセン、アップトゥデイトはぴったり2番手につけ、襷で先頭を奪うとオースミムーンがぴったり追う。
順周りとなりダートを横切るところでオースミが脱落、最後の直線でビコーピリラニが末脚を伸ばすも1馬身1/4の差をつけ先頭ゴール、2つ目の重賞制覇となった。
アップトゥデイトは暮れの中山大障害(G1)も制覇、2015年のJRA最優秀障害馬に輝くのだが、私が訴えたいのは、ここで大差の6着に下したのが1歳下のオジュウチョウサンであることだ。
オジュウは翌年から中山大障害5連覇を含むG1・9勝という未曽有の大記録を達成するのだが、そのうち4戦で2着、1戦で3着となったのがアップトゥデイト。その因縁たるやシンザンVSウメノチカラ、シンボリルドルフVSビゼンニシキを凌ぐ物語と言っていい。
目の上のたん瘤が出走しなかった2018年の中山大障害で8歳アップトゥデイトはG1・3勝目を狙い1番人気に支持されるも最終障害で落馬。これを最後にターフを去った。
キーンランドCは、ナムラクレアが不動の軸も…
この辺で「東大馬券王の大よそー」に移ろう。
肝心の小倉SJは登録がたった6頭で馬券的妙味が乏しいので、札幌の電撃6ハロン・キーンランドC(G3)にしよう。
去年の覇者で前走・高松宮記念(G1)2着のナムラクレアが不動の軸。G1出走8戦中7回掲示板ながら未勝利ともどかしいが、G2、G3なら9戦8連対3着1回と大威張りだ。相手も8戦6勝で負けた2戦も2、4着のサトノレーヴで決まり!
最近大発見した東大式鉄則「2頭抜けている場合は三連単より三連複がお得」。2頭1―2(3)着の三連単フォーメーションなら4通り買わねばだが、三連複なら1通りで4倍買うと前者より払い戻し大のケースがほとんど。大衆のお金にまつわる心理も絡んでくるのだろう。
そして“夏競馬 大本命が よくコケる”。先週の札幌記念(G2)ではプログノーシスがまさかの4着、CBC賞(G3)もキタノエクスプレスが7着と痛い目にあった。キーンランドCも札幌・函館の洋芝5戦5勝モリノドリーム1頭軸でサトノ・ナムラ2頭へ、あとは大勢の三連複も押さえておこう。青春18きっぷの有効期限は9月10日まで、再来週は札幌競馬場への旅も企ててみるか。夏競馬 負けてもこれが青春さ。