【神戸新聞杯(G2)展望】菊花賞(G1)の王道トライアルで春の実績馬と夏の上がり馬が激突!
22日、中京競馬場で菊花賞トライアルの神戸新聞杯(G2、芝2200m)が開催される。
近5年でもサートゥルナーリアやコントレイルといった春のクラシックホースが勝ち馬に名を連ねている王道トライアルだが、今年は皐月賞馬ジャスティンミラノもダービー馬のダノンデサイルも不在。例年に比べやや手薄なメンバーになった感は否めないが、その分、上がり馬にチャンスがあるはずだ。さっそく展望していく。
まずは実績馬に敬意を表してジューンテイク(牡3歳、栗東・武英智厩舎)の名を挙げたい。
朝日杯フューチュリティS(G1)で4着するなど早くから頭角を現していたジューンテイクだが、春はすみれS(L)、若葉S(L)で連敗して皐月賞(G1)断念。日本ダービー(G1)出走を目指して挑んだ京都新聞杯(G2)で藤岡佑介騎手と初コンビを組むと、好位から抜け出して快勝している。
重賞タイトルを引っ提げて挑んだ日本ダービーだが、結果は10着。レース後、岩田望来騎手は「やりたい競馬はできた」と完敗を認めながらも「秋以降に良くなって成長した姿をお見せできれば」と再起を誓っている。
今回は再び藤岡佑騎手とコンビを組むジューンテイク。舞台となる中京・芝2200mは京都新聞杯と同じだけに、ここで改めて存在感を示したいところだ。
その京都新聞杯で2着だったのが、ウエストナウ(牡3歳、栗東・佐々木晶三厩舎)だ。
5月の京都新聞杯でジューンテイクに1馬身差をつけられたウエストナウだが、相手はキャリア9戦目だったことに対して、こちらは2戦目。レース後には、佐々木調教師が「2戦目でよく走ってくれた」と振り返っている通り、敗れはしたものの上積みの大きな一戦だった。
その後は無理にダービーへ進まず、ここまで休養。直前の追い切りではG1馬のラムジェットに先着するなど、この秋は進化を示すシーズンになりそうだ。鞍上はデビュー戦で手綱を取った西村淳也騎手が予定されている。
京都新聞杯では逃げて結果を残したウエストナウだが、今回はそうはいかないかもしれない。何故なら、世代屈指の快速馬メイショウタバル(牡3歳、栗東・石橋守厩舎)がここに矛先を向けてきたからだ。
「非常に強い内容だったと思います」と若手のホープ・坂井瑠星騎手が手放しで絶賛したのは、今年3月の毎日杯(G3)だ。前走のつばき賞で1勝クラスを勝ち上がったばかりだったメイショウタバルは、スタートから果敢にハナに立つと、最後の直線はまさにワンマンショー。後続をまったく寄せ付けずに6馬身差で重賞初勝利を飾った。
だが、その走りが評価されて4番人気で迎えた皐月賞だったが、果敢にハナを切って自分の競馬をしたものの17着に大敗。レース後、浜中俊騎手は「力みが影響した」と敗因を挙げていたが、1000m通過57.5秒はさすがに速すぎたかもしれない。続く日本ダービーは左後肢の挫石で出走取り消し。この秋は真価を示すシーズンになりそうだ。
上がり馬では、2連勝中のオールセインツ(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)の名を挙げておきたい。
この春は、キャリア2戦目で挑んだ京都新聞杯で13着に大敗しているオールセインツ。しかし、一息入れた1勝クラスを勝ち上がると、続く月岡温泉特別(2勝クラス)もあっさりパスして重賞の舞台に帰ってきた。
特に前走の月岡温泉特別では、極端なスローペースになったものの上がり3ハロン32.3秒という極上の切れ味を披露して快勝。鞍上の坂井瑠騎手も「ヨーイドンの流れでも勝つ自信があった」と胸を張った。春は苦い経験を味わった重賞の舞台だが、鞍上が「まだ伸びしろがある」と話している通り、ひと夏を越した成長を示したい。
他にも青葉賞(G2)2着のショウナンラプンタ、若葉S(L)勝ちのミスタージーティーといった春の実績組に加え、川田将雅騎手のメリオーレム、武豊騎手のサブマリーナらは重賞でも通用して良い素質馬だ。
果たして、上位3頭に与えられる菊花賞の優先出走権を掴むのは、どの馬か。注目の神戸新聞杯は22日の15時35分に発走予定だ。