【ジャパンダートクラシック(G1)展望】ダービー馬ラムジェットVS世界のフォーエバーヤング! 新ダート三冠の最終章で頂上決戦
10月2日、大井競馬場でジャパンダートクラシック(G1、ダート2000m)が行われる。今年からリニューアルされたダート三冠の最終章に相応しいメンバーが集まった。さっそく展望したい。
最大の注目は今や世界的名声を持つフォーエバーヤング(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)だ。
昨年12月の全日本2歳優駿(G1)を7馬身差で圧勝し、世代の頂点に立ったフォーエバーヤング。その後、2歳王者が矛先を向けたのは、今年から中央に解放されたダート三冠路線ではなく、世界の頂点だった。
2月のサウジダービー(G3)で海外重賞制覇を初挑戦であっさり成し遂げたフォーエバーヤングは、勢いそのままに3月のUAEダービー(G2)も制覇。デビューから5戦負けなしで、米国クラシックの頂上決戦ケンタッキーダービー(G1)へ駒を進めた。
世界が注目するダートの3歳No.1決定戦でフォーエバーヤングは堂々たる叩き合いを演じた。最後はハナ+ハナ差の3着に敗れたものの、やや不利を受けての結果であり、再び遠征が予定されている米ブリーダーズCクラシック(G1)でも注目の1頭に挙げられるほどの世界的名馬に成長した。
果たして、ダート三冠の最終章はフォーエバーヤングの壮行レースとなるのか。その走りに世界が注目している。
その一方で、日本で激戦を繰り広げてきた同世代の猛者たちも、“外様”を相手に黙ってはいられないはずだ。大将格のダービー馬ラムジェット(牡3歳、栗東・佐々木晶三厩舎)には、来年以降も続くダート三冠の威信が懸かっている。
今年2月のヒヤシンスS(L)を3馬身差で快勝し、一躍ダート三冠の有力候補に躍り出たラムジェット。その後、一息入れたユニコーンS(G3)で重賞初勝利を飾ると、東京ダービー(G1)でファンは単勝1.7倍の大本命に指名した。
そんな多くのファンの声が届いたのか、今回と同じ大井のダート2000mで行われたレースで、ラムジェットはその真価を発揮する。スタートを決めて好位につけると、最後の直線で危なげなく抜け出して勝利。終わってみれば2着サトノエピックに6馬身差つける圧勝だった。
この結果に、佐々木晶調教師は「フォーエバーヤングと五分の勝負がしたい」と早く最大のライバルを意識したコメント。世代最強の証明へ、一歩も引く気はないはずだ。
前哨戦を快勝したサンライズジパング(牡3歳、栗東・音無秀孝厩舎)は、この2強に割って入ってもおかしくない実力馬だ。
元々、昨年11月のJBC2歳優駿(G3)でフォーエバーヤングから1馬身半差の2着に好走するなど、高いダート適性があったサンライズジパング。だが、12月のホープフルS(G1)を3着に好走したことで、この春は芝路線を歩んでいた。
しかし、期待されたクラシックでは皐月賞(G1)9着、日本ダービー(G1)12着と奮わず。その後、一息入れて再びダート路線へ帰ってきたのが前走の不来方賞(G2)だった。
ジャパンダートクラシックの前哨戦となる盛岡の2000mで2番人気に支持されたサンライズジパングは、最後の直線で逃げ粘る1番人気カシマエスパーダをきっちりと捕らえて勝利。3馬身差の快勝は本番の活躍を十分に期待できる内容だった。鞍上は大井2000mのスペシャリスト武豊騎手と、番狂わせの舞台は整っている。
他にも上記したカシマエスパーダやサトノエピック、レパードS(G3)を勝ったミッキーファイトは世代トップクラスの実力の持ち主。JRAの優位は動かないが、地方勢のサントノーレ、シンメデージー、フジユージーンらも上位争いが期待される。