【富士S(G2)展望】ジャンタルマンタルVSセリフォスの新旧マイル王対決! 待望のG1制覇へソウルラッシュも虎視眈々

ジャンタルマンタル 撮影:Ruriko.I

19日には東京競馬場で富士S(G2、芝1600m)が行われる。

2000年に現施行時期に移設され、マイルCS(G1)の前哨戦として定着。2020年にG2への昇格を果たしたように、その後は重要な役割を果たすレースとなった。特に近2年はセリフォス、ナミュールと優勝馬がそのままマイルCSを制覇。秋のマイル王を占う上で最も重要なレースをさっそく展望していきたい。


今年の中心は3歳マイル王のジャンタルマンタル(牡3歳、栗東・高野友和厩舎)で間違いないだろう。

昨年、3連勝で朝日杯フューチュリティS(G1)を制し、2歳王者に輝いたジャンタルマンタル。今年は共同通信杯(G3)2着、皐月賞(G1)3着と連敗したものの、5月のNHKマイルC(G1)で2歳女王アスコリピチェーノとの一騎打ちを制して戴冠。G1・2勝の実績はここでは圧倒的だ。

今秋は9月末に帰厩すると、ここまで順調に追い切りを消化。栗東の坂路で行われた1週前追い切りでもラスト11.7秒を叩き出すなど、仕上がりに抜かりはなさそうだ。古馬とは初の対決になるが、9月の京成杯AH(G3)ではアスコリピチェーノが単勝1.5倍の人気に応えて完勝。ハイレベルな3歳マイル路線の代表馬として、ここで後れを取るわけにはいかない。鞍上は主戦の川田将雅騎手だ。

セリフォス 撮影:Ruriko.I


セリフォス(牡5歳、栗東・中内田充正厩舎)は、相手が3歳マイル王でも引くわけにはいかない。

一昨年はこのレースで重賞3勝目を飾ると、勢いそのままにマイルCSを制覇。同年のJRA最優秀短距離馬に選出されるなど、マイル界の頂点に立った。しかし、その後は連敗続き……。昨年の安田記念(G1)で2着したものの今年は5着に敗れるなど、かつての精彩を欠いている印象だ。

今回は主戦の川田騎手がジャンタルマンタルに騎乗する関係もあって、藤岡佑介騎手とコンビを組む。人気下降は否めないが、同コンビは一昨年の富士Sを含む重賞2勝に加え、3歳時の安田記念でも4着と相性がいい。ここは一昨年の再現を期待したいところだ。

ソウルラッシュ 撮影:Ruriko.I


待望のG1制覇へ、ソウルラッシュ(牡6歳、栗東・池江泰寿厩舎)が悲願成就の秋に出陣する。

早くから活躍しているジャンタルマンタルやセリフォスに対して、こちらは遅咲き。3歳はG1どころか重賞にさえ出走できず、初の重賞制覇は4歳春のマイラーズC(G2)だった。そこからG1に挑むこと6回、その高い壁に跳ね返され続けているが、昨年のマイルCSで2着、今年の安田記念でも3着と、年輪を重ねてじょじょにその頂が近づきつつある。新コンビの団野大成騎手と共に、まずはG1馬へ挑戦状を叩きつけたい。


ジェイパームス(セ4歳、美浦・堀宣行厩舎)の勢いは、ここでも通用するだろうか。

2021年のホープフルS(G1)を勝ったキラーアビリティの弟として、翌年の11月に単勝1.4倍の人気に応えてデビュー勝ち。ジェイパームスの船出は輝かしいものだった。しかし、兄弟制覇が期待されたホープフルSで10着に大敗すると、条件戦でも連敗。G1馬の弟はあっけなくエリートコースから転げ落ちた。

流れが変わったのは、昨年11月。1勝クラスで待望の2勝目を挙げると、勢いに乗って3連勝。再び重賞の舞台に帰ってきた。今回はコンビを組む鮫島克駿騎手の手腕にも注目したい。


他にもNHKマイルCで4着だった3歳馬のゴンバデカーブース、昨年の2着馬レッドモンレーヴ、中京記念(G3)を勝って勢いに乗るアルナシーム、ダービー卿チャレンジT(G3)の勝ち馬パラレルヴィジョンなども有力な候補になりそうだ。

GJ 編集部

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