【阪神JF(G1)展望】L.デットーリ×米国2歳女王メイデイレディが日本襲来! フォーエバーヤング妹など日本の女王候補が迎撃
12月8日、京都競馬場で阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)が開催される。
今回で76回を迎える伝統の2歳女王決定戦だが、今年は外国馬が史上初のエントリー。かなり本気度の高い大物だけに歴史的なレースになるかもしれない。
歴史的挑戦を迎える外国馬メイデイレディ(牝2歳、米・J.リー厩舎)は、米国の2歳牝馬を代表する強豪だ。
ここまで米ジェサミンS(G2)勝ちを含む4戦3勝。2着に敗れてキャリア初の敗戦となったのが前走のBCジュベナイルフィリーズターフ(G1)だが、勝ったレイクヴィクトリアはこれで5戦5勝。単勝1.7倍でこのレースを完勝した欧州の天才少女と、さすがに相手が悪かった。メイデイレディは実質、米国の2歳女王と言って良い強豪だ。
その後、メイデイレディ陣営は来日を決断。すでに先月20日に到着しており、現在はレースが行われる京都競馬場で調整中。異例の挑戦となるが、リー調教師は「日本に来てからどんどん状態が良くなっている」と状態を心配していない。
能力の高さは折り紙付きだが、やはり日本の高速馬場で本来の力を発揮できるのかがポイントになりそうだ。父タピットは米国のチャンピオンサイアーで、日本ではフェブラリーS(G1)を勝ったテスタマッタなどダートでの活躍が目立つが、ラビットランが芝のローズS(G2)を勝っている。鞍上は日本でもお馴染みのL.デットーリ騎手だ。
迎え撃つ日本勢は、重賞勝ちのブラウンラチェット(牝2歳、美浦・手塚貴久厩舎)が中心になりそうだ。
ここまで2戦2勝。安定したスタートセンスと先行力が持ち味で、前走のアルテミスS(G3)では3番手から上がり3ハロン33.3秒の末脚を発揮して後続を完封している。この走りには鞍上のC.ルメール騎手も「トップレベルにいける馬だと思います」と、その素質に太鼓判。兄が世界で活躍するフォーエバーヤングという血統的なスケールもあって、歴史的な名牝になることが期待されている。
コートアリシアン(牝2歳、美浦・伊藤大士厩舎)は課題の克服が必要だ。
6月東京のデビュー戦を制して、1番人気で挑んだ前走の新潟2歳S(G3)で2着。最後はトータルクラリティに半馬身差をつけられたが、レース後に菅原明良騎手が「折り合い面が上手くいかなかった」と振り返る不完全燃焼だった。
それでも最後の直線で一度は先頭に立つ力強い走り。3着以下を3馬身以上突き放すなど、非凡なものは見せている。人いれば入れての3戦目、気性面で成長が見られれば頂点に手が届くだけの素質馬だ。
他にもデイリー杯2歳S(G2)の覇者ランフォーヴァウ、ファンタジーS(G3)を勝ったダンツエラン、1勝クラスを好内容で勝ち上がったジャルディニエ、ビップデイジーといったところもチャンス十分だ。