ローズS(G2)ファンディーナ皐月賞敗因は「強過ぎた」から? 新たなる”伝説”の幕開けも陣営の「弱気コメント」に再び暗雲……
69年ぶりの”夢”は儚くも散った。
デビュー3戦で2着馬につけた着差が約15馬身。年頭に突如として出現し、圧倒的な走りでセンセーショナルを巻き起こした「怪物」ファンディーナが目指したのは、牝馬3冠ではなく、牝馬としては69年ぶりとなる牡馬クラシック皐月賞(G1)制覇だった。
この超新星の果敢な挑戦に、競馬界が湧き立った。当日の単勝は1番人気。オッズは2.4倍ながら、2番人気のスワーヴリチャードが7倍だったことからも断然の人気だったことは間違いない。
しかし、結果は7着惨敗。69年ぶりの快挙への期待もあったが、それ以上に本馬ここまでの3戦で見せてきたパフォーマンスからは落差の大きい敗戦で、関係者や応援したファンの落胆は、ただの1番人気が敗れる以上に大きいように感じられた。
あれから約5カ月。ファンディーナがついに戦線に復帰する。
秋のターゲットは牝馬クラシックの秋華賞(G1)。偉大な記録に挑戦した本馬としては、地に足の着いた「現実路線」といえる。だが、”大望”を語るにもまずは足元を固める必要はあるはず。厩舎の偉大な先輩ショウナンパンドラも、この牝馬クラシック最終戦を足掛かりとして、翌年のジャパンC制覇に繋げた。
ただし、17日に阪神競馬場で行われるローズS(G2)には桜花賞馬レーヌミノルやオークス(G1)2着馬モズカッチャン、3着馬アドマイヤミヤビにリスグラシューなど、同世代の強豪が集う。ファンディーナにとって、同世代の牝馬一線級とは実質的に初対決となり、ここは真価が問われる一戦となりそうだ。
ただ、それでも”まともに”さえ走れば、ファンディーナがあっさりと勝ってしまう可能性は十分にある。
無論、今年の3歳牝馬は「豊作」と言われ、先述した4頭はその中でもトップクラスの実力者。いずれも将来的に名牝として名を馳せてもおかしくはない存在だ。しかし、それでもなお、ファンディーナが皐月賞までの3戦で残したインパクトは、ここでの圧勝さえ予感させられるだけの強烈なものだった。
しかし、今の本馬は皐月賞の惨敗劇という”キズ”を負っている。極めてショッキングな敗戦であったが、一体「何」があったのだろうか。