武豊騎手が京都大賞典(G2)で大記録達成へ「原点回帰」。30年前、若き天才が重賞初勝利を飾った「数奇な運命」とは
トウカイテイオーはその後、父と同じく無敗でクラシック2冠を達成し、ジャパンC(G1)や有馬記念(G1)を勝利するなど活躍。敗れはしたものの1992年の天皇賞・春(G1)における武豊メジロマックイーンとの激突は「世紀の対決」として競馬史に残されている。
その一方で、トウカイローマンの繁殖生活は苦戦の連続だった。引退後、すぐにシンボリルドルフとの配合を試みたが産駒は未勝利。その後もサンデーサイレンスなど数々の良血種牡馬が用意されたものの結局、妹トウカイナチュラルとの大差を埋めることはできなかった。
競馬界の運命を大きく変えたトウカイローマンの激走があってから30年。
その後「318」もの重賞勝利を積み上げ、現役ながら「レジェンド」と称されるようになった武豊騎手が、9日にスマートレイアーとの参戦が決まっている京都大賞典で、さらなる金字塔を打ち立てようとしている。
この春、キタサンブラックとのコンビで天皇賞・春(G1)を制し、前人未到の同一G1・8勝目を決めた武豊騎手。この記録は同時に、自身が所有する「同一重賞最多勝記録」と並んでいる。
現在、自身が持つJRA最多勝記録の「8勝」で並んでいるのは、天皇賞・春の他に阪神大賞典(G2)、札幌記念(G2)、そして今週末に行われる京都大賞典の3つ。したがって、武豊騎手とスマートレイアーが京都大賞典を勝てば、記録更新の9勝目ということになる。