ワグネリアン福永祐一に「乗り替わり」の要望!? 東京スポーツ杯2歳S(G3)で3連勝を目指す理論派騎手「最大の欠点」とは
その上で、今回の東京スポーツ杯2歳Sで福永騎手が「相手」として睨んでいるのは、おそらく戦前から「一騎打ち」として名が挙がっている関東馬のルーカス(牡2歳、美浦・堀宣行厩舎)である公算が極めて高い。
2015年の年度代表馬モーリスの全弟として、デビュー前から注目を集めていたルーカス。キャリアこそまだ1戦だが、勝ち時計は過去8年の札幌競馬場・新馬戦における最速タイム。さらに破った相手が次々と勝ち上がるなど、日に日に評価を高めている存在だ。
大手ポータルサイト『netkeiba.com』の東京スポーツ杯2歳における予想オッズでは、1番人気のワグネリアンの単勝1.8倍に続く2.6倍と、完全に一騎打ちの様相を呈している。福永騎手としても、当然ながら特に警戒すべき相手であることに間違いはないだろう。
しかし、その一方で未だキャリア1戦に過ぎないルーカスに「過大評価では」という声もある。というのも、全兄のモーリスが本格化したのは古馬になってからだからだ。
実は兄のモーリスもデビュー戦の内容が高く評価され、2戦目の京王杯2歳S(G2)では単勝1.5倍の1番人気に推されていた。しかし、スタートで出遅れると、上がり最速の末脚で追い込むも6着に惨敗。その後も重賞で人気になっては惨敗と、結局重賞初制覇を飾ったのは4歳春のダービー卿チャレンジT(G3)まで時間が掛かっている。
無論、そこからの快進撃はこの場で語るまでもない。だが、兄弟の父スクリーンヒーロー自身も3歳秋から4歳に掛けて本格化した馬であり、もう1頭の代表産駒となるゴールドアクターも似たような成長曲線を描いている。
デビュー戦の内容からもルーカスが類稀な素質馬であることは疑いようがない。だが、まだ完成していないここでは、思わぬモロさを露呈する可能性は決して低くないということだ。