世界王者ハイランドリールが有終の美!菊花賞馬キセキ「不完全燃焼」で日本馬勝利ならず……【香港国際競走・回顧】
日本のトーセンバジルはモレイラ騎手が「パーフェクトなレース」と自画自賛するほど完璧なレース運びで3着、キセキは直前の皮膚病の影響で調整過程にやや誤算が生じたか9着。M.デムーロ騎手も「(馬が)自分で止まってしまった」と不完全燃焼に終わってしまった。
香港スプリント(G1)芝1200m
地元香港勢が圧倒的な強さを見せる香港スプリント。今年も香港の連勝馬ミスタースタニングが、単勝2.0倍と抜けた1番人気となった。そこに実績No.1の香港馬ラッキーバブルズが続き、日本のレッツゴードンキが3番人気。以下、モレイラ騎手のザウィザードオブオズ、日本のワンスインナムーンと続いた。
13頭立てのレースは、序盤から激しい流れ。スプリント戦らしい激しい主導権争いから、まずは日本のワンスインナムーンが先頭に躍り出る。そこにペニアフォビアが鈴をつけに行き、人気のミスタースタニングは抜群のダッシュ力で3番手を確保。ラッキーバブルズとザウィザードオブオズは中団から、レッツゴードンキは激しい流れについて行けず、離れた最後方からの競馬となった。
ワンスインナムーンの手応えが早々に怪しくなり、ペニアフォビアが先頭に替わって最後の直線へ。しかし、それも束の間、抜群の手応えでミスタースタニングが先頭に躍り出る。すると外からディービーピンが怒涛の追い上げ、最後はクビ差まで迫ったが1番人気馬の牙城を崩すには至らなかった。同じく後方から追い上げたブリザードが3着だった。
主戦のN.ローウィラー騎手は「ここまでの道のりは長かったが、意味のある大きな勝利になった」と感慨深げ。6着まで追い上げたレッツゴードンキは、岩田康誠騎手が「ゲートの出が悪くて後ろからになってしまった」と話した通り、ダッシュがつかなかったスタートが致命傷となった。厳しい展開の上、最後の直線で不利を受けたワンスインナムーンは12着に大敗した。
香港マイル(G1)芝1600m
香港スプリントとは打って変わって混戦模様の香港マイル。モレイラ騎手のシーズンズブルームがやや抜けた1番人気に推されたものの、2番人気以下は香港のヘレンパラゴン、昨年の覇者ビューティーオンリー、日本のサトノアラジン、米ブリーダーズCマイル(G1)で2着したランカスターボンバーが単勝10倍以下という混戦だった。