安田記念(G1)スワーヴリチャード「致命的弱点」? 陣営が「マイル未経験」よりも神経質になる「アノ問題」にデムーロ騎手も本腰
しかしヤマニンゼファーの場合、安田記念まで1400m以下のレースしか使ったことがなく、1800m以上のレースしか使ったことがないスワーヴリチャードとは真逆のパターン。イメージ的には、2013年に3歳春以来のマイル戦で本レースを勝ったロードカナロアに近いものがあり、スワーヴリチャードの参考にはならないだろう。
他に2000年以降、大阪杯からのステップは2004年の勝ち馬ツルマルボーイや、2012年に2着だったショウナンマイティなどが安田記念で好結果を残している。6歳馬のツルマルボーイが3歳12月以来の、ショウナンマイティがキャリア初のマイル戦だったことを考慮すれば、特別大きなハンデにはならないのかもしれない。
ただし、スワーヴリチャードの場合「致命的な弱点」を抱えているだけに決して油断はできない。
「スタートの出遅れですね。前走はデムーロ騎手の好判断で勝利をモノにしましたが、スタートではまたも出遅れ、一時は後方の絶望的なポジションでした。それでも前走の場合は、前半1000mが61.1秒というスローペースに乗じて、上手くポジションを上げることができましたが、マイルの安田記念でそれを望むことはほぼ不可能だと思います。
庄野調教師は『大阪杯の後半で1000m、56秒台の速い流れに対応できたから大丈夫』と言っていますが、レース後半でスワーヴリチャードがある程度力を見せられることは周知の事実。肝心なのは『レースの前半』で、マイル戦特有の速い流れに対応できるかでしょうね。
いくら能力が高くてもレースの流れに乗れないようでは、勝ち目はないかと……。おそらく1番人気になるでしょうし、もし出遅れたらスタート直後に東京競馬場が悲鳴に包まれるなんてことがあるかも……(苦笑)」(競馬記者)
高い絶対能力さえあれば「マイル経験」のなさをカバーできることは、先述したツルマルボーイやショウナンマイティが過去に証明している。