【2016上半期プレイバック】3歳牝馬編「史上まれに見るハイレベルな争いとなった『3強対決』決着は秋の秋華賞へ」
3月
万が一、メジャーエンブレムを桜花賞で負かせる馬がいるのなら、それはこのチューリップ賞(G3)組の中からだ。そんな期待の下に行なわれた今年の桜花賞トライアルは、人気を分け合った2頭による壮絶な叩き合いによって決着した。
レコード決着となったハナ差の大接戦を制したのは、これでデビュー3連勝としたシンハライト。1番人気に推されたジュエラーは、僅かの差で2着だった。その一方で完敗を喫したレッドアヴァンセ、ウインファビラス、デンコウアンジュといった面々は事実上、クラシック争いから大きく後退。
今年の牝馬クラシックの主役がシンハライトとジュエラー、そしてメジャーエンブレムという「3強」に絞られた瞬間だった。
「チューリップ賞を歴代の名牝たちを上回るレコードタイムで走り切った2頭なら、メジャーエンブレムを倒せるかもしれない」ハイレベルなトライアルを見て、そんな思いを抱いたファンは少なくなかったが、それでもまだまだ淡い期待でしかなかった。
シンハライトとジュエラーが弱いのではない。メジャーエンブレムが強すぎたのだ。
4月
ついに「3強」が合い見える時を迎えた桜花賞。チューリップ賞で壮絶なレコード決着を演じたシンハライトとジュエラーの力は、果たして絶対王者となりつつあるメジャーエンブレムに通用するのか――。
3歳牝馬クラシック第一弾は例年にない注目を浴びたが、ファンが支持したのは、やはり2歳馬離れしたエンジンを持つ2歳女王だった。
単勝1.5倍という、阪神JFを超える支持を集めたメジャーエンブレム。続く2番人気にはチューリップ賞を制したシンハライト、3番人気にジュエラーが続いたが、それぞれ単勝4.9倍、5倍と前評判では圧倒的にメジャーエンブレムがリードした。
だが、超ハイレベルな争いが期待された桜花賞は、思わぬ決着となった。