武豊クリンチャー「ユタカ・マジック」凱旋門賞(G1)で大逆転!? 「奇跡」を起こす4つの要素とライバル

競馬つらつら」より

 大本命として挙げられているのは、連覇を狙うエネイブル(牝4歳、英・ゴスデン厩舎)だ。

 昨年、英・愛国のオークス(G1)を制して欧州3歳牝馬の頂点に立つと、キングジョージ6世&QES(G1)で強豪古馬陣も撃破。一気に世界の頂点に上り詰めたエネイブルは、そのまま凱旋門賞で6連勝を達成した。

 しかし、その後に膝を故障。今年の上半期を棒に振ると、一時は凱旋門賞出走も危ぶまれていた。だが、9月に復帰すると地元のセプテンバーS(G3)を3馬身半差で楽勝。「女王健在」を世界に知らしめ、凱旋門賞戦線の最有力候補に君臨している。

 ポイントは、やはり昨年のポテンシャルを維持しているかに尽きるだろう。圧勝だったとはいえ、相手が楽だったことも事実。超一線級との戦いでは、不透明な部分も大きく残っている。ただ、逆に昨年の力が発揮できれば2013、2014年のトレヴ以来の連覇は濃厚。女王の走りに世界が注目している。

 そのエネイブルが昨年、凱旋門賞に向かうステップレースを制したシーオブクラス(牝3歳、英・W.ハガス厩舎)が逆転候補の筆頭だ。

 前走のヨークシャーオークス(G1)では8頭立てながら、今年の仏オークス馬ローレンスや、キングジョージ6世&QES(G1)で3着した女傑コロネットなどハイレベルなメンバーが集結。

 しかし、1番人気に推されていたシーオブクラスが、豪快な大外一気で2馬身1/4差の完勝。当時エネイブルの動向が不透明だったこともあって、一時は凱旋門賞の前売り1番人気に浮上していた。あえて追加登録料を支払っての参戦だけに、打倒エネイブル筆頭はこの馬か。

 距離にやや不安があるものの、クラックスマン(牡4、英・J.ゴスデン厩舎)も十分に世界の頂点が狙える超一流馬だ。 

 昨年は前哨戦のニエル賞(G2)を勝ちながらも、2400mの凱旋門賞ではなく、あえて2000mの英チャンピオンS(G1)に進んだクラックスマン。そこには英・愛ダービーで連敗を喫したことによる陣営の距離不安があった。

 しかし、今年のコロネーションC(G1)で2400mを克服しG1・3つを含む5連勝を達成。前走のプリンスオブウェールズS(G1)では2着に敗れたが、勝ったポエッツワードは今年のキングジョージ6世&QESを制したトップホース。本馬の評価が落ちることはなさそうだ。

 ただ「陣営は雨が降れば出走。降らなければ英チャンピオンSの可能性が高い」と明言しており、出否は微妙な状況。出走すれば、有力候補の1頭に数えられることは間違いないだろう。

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