JRAエリザベス女王杯(G1)は「日本人騎手」が鍵!? 女王桃井はるこが見据える牝馬決戦の焦点
――では、最後の1頭をお願いします。
桃井はるこ:リスグラシュー(牝4歳、栗東・矢作芳人厩舎)ですね。昨年、主戦だった武豊騎手がケガで騎乗を見送ったため、福永祐一騎手とレースに挑戦。8着に終わったものの、上がり最速となる33.7秒の脚を披露して見せ場はつくりました。
今年も安田記念こそ8着に敗れましたが、ヴィクトリアマイル(G1)では勝ち馬ジュールポレールとハナ差2着と、牝馬相手なら勝ち負けできることを証明しています。ただマイルでの活躍が目立つので、2200mは長すぎる気も。上位では推しづらいんですよねぇ……。
そして置きにいくわけではないですが(笑)、モズカッチャン、ノームコアもリスグラシューと同評価です。
モズカッチャンは先に話したので、ノームコア(牝3歳、美浦・萩原清厩舎)ですね。ハービンジャー産駒のモズカッチャンが昨年勝ったので、同産駒であるノームコアも距離、コースの適性があると思います。鞍上は絶好調のC.ルメール騎手ですし、人気を集めるのは当然です。
しかし、初の長距離輸送、初の京都競馬場と、初物尽くしなのが気にかかります。なにかふとしたきっかけで調子を落としそうな気も。『牝馬は調子』。そう考えると今回はあまりにも未知数すぎるのではないでしょうか。
――ありがとうございました。今回は上位に来ると考えている馬の鞍上は、日本人騎手が多かったですね。頑張れ、日本人騎手という感じがします。
桃井はるこ:日本人騎手が外国人騎手に押されていて、口さがない人からは『カタカナの騎手を買えば当たる』なんて言われたりもしています。でも競馬はそんな単純なものではなく、もっとさまざま要因が絡み合って勝敗につながる奥深いものです。
ルメール騎手やモレイラ騎手らが絶好調ですので、ファンもどうしてもそちらに目がいってしまうと思うんです。でも、競馬で走るのは馬。騎手優先ではなく馬を第一で考えていきたい! 日本人騎手たちに奮起してもらうことで、改めて競馬の難しさ、面白さを感じさせてほしいですね。
(取材・文=編集部)
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