「英断?」それとも「見切り発車?」問題山積の中、JRAが『ケンタッキーダービー出走馬選定ポイントシリーズ』を急設した「表側の理由」と「裏側の理由」【後編】
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何故、JRAはまだ完全とは言えない段階で米国のケンタッキーダービー出走馬選定ポイントシリーズ『JAPAN ROAD TO THE KENTUCKY DERBY』を創設したのか。その影響で、様々な問題が考慮されている。
同シリーズを利用してケンタッキーダービーへの出走を考える陣営にとっては、11月のカトレア賞(500万下)まで条件戦を使えないという、あまりにも大きな欠点がある現状。
このあまりに稚拙で意味不明のシステムのせいで打撃を受けるのは、何もケンタッキーダービーを目指す陣営だけではない。最も”痛い”のは、もしかしたら12月に川崎競馬場で行なわれる全日本2歳優駿(G1)かもしれない。
今年のカトレア賞が11月26日に開催され、全日本2歳優駿は12月14日に開催される。つまりは両方に出走するためには中1週で使う必要があり、カトレア賞に出走した陣営が出走を見送る傾向になるのは避けられない。2歳唯一のダートG1とはいえ、将来性のある2歳馬に無理はさせられないからだ。
ちなみにカトレア賞の1週前には京都でもちの木賞(500万下)が開催されており、こちらの方が距離も1800mと本番に近く、過去にもクリソライトやグレープブランデーが出走するなどレースレベルも高い。何故、このレースが選ばれなかったのかも疑問だ。
また、肝心のヒヤシンスSに関しては、ケンタッキーダービーへのステップがこのレースになるのは理解できる。いや、現行の番組体系を鑑みれば「このレースしかない」と述べた方が正しいか。