【徹底考察】神戸新聞杯(G2) エアスピネル「宿敵サトノダイヤモンドに完敗した日本ダービーと同じ2400m。それでも武豊が『正攻法』で挑むであろう理由とは」


 必ずしも強い馬だけが上位に来るわけではないのが競馬である。その上、中山の2000mと東京2400mでは問われる資質が異なるため、二冠馬でさえ何年に一度の割合でしか出現しない。にもかかわらず、今年は勝ち馬こそ異なったが上位5頭が同じ顔ぶれだった。

 それは単純に『BIG5』が世代で抜けた能力を持っているというだけでなく、皐月賞と日本ダービーが共に「極めてハイレベルなレース」だったからだ。

 1000mの通過が58.4秒というハイペースで、皐月賞として初めて1分57秒台に到達した今年のクラシック第一弾のレベルを疑う者はいないはずだ。見た目の壮絶さも然ることながら、実際に大敗を喫した馬たちでさえ、後々のレースで強い内容を見せている。

 しかし、その一方で日本ダービーに関してはレースこそ迫力のある内容だったが、1000mの通過は60秒と特別速くなく、レースのそのものの上がりや全体の時計にしても歴代の日本ダービーと比較して派手さはない。

 昨年、歴代1位の評価を受けたドゥラメンテのダービーが2分23秒2のレコードだったが、今年のダービーはそれよりも0.8秒遅い2分24秒である。

 だが、だからといって今年の日本ダービーのレベルが低いというわけではない。むしろ近年で「最もハイレベル」と述べても決して過言ではないはずだ。それは近年のラスト1000m(5ハロン)の「ラップ」及び「タイム」を比較すれば明らかである。

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