【徹底考察】神戸新聞杯(G2) エアスピネル「宿敵サトノダイヤモンドに完敗した日本ダービーと同じ2400m。それでも武豊が『正攻法』で挑むであろう理由とは」
「残り1000~600mの2ハロンの合計」が、近年で最も速い緩みのないペースの中で、逃げたマイネルハニーが16着、2番手を進んだプロフェットが17着、3番手のアグネスフォルテが14着と先行勢は総崩れした。
しかし、先述したように今年の日本ダービーに限っては「残り400m~200mのタイム」は落ちていない。それは「残り400m~200m」まで止まらなかった”規格外”の先行馬がいたからだ。
その先行馬こそ、ラスト200mで一度は先頭に躍り出たエアスピネルである。
【血統診断】
母が秋華賞馬エアメサイア。兄弟に目立った活躍馬はいないが、紛れもない良血だ。2冠馬エアシャカールの妹エアデジャヴーを祖母に持ち、キングカメハメハ×サンデーサイレンス×ノーザンテーストという日本を代表するサイアーラインの持ち主。距離適性は血統的には幅がありそうだが、スピードに勝った本馬を見る限り、現状のベストはマイルから2000m程度か。2歳重賞を勝っているが、まだまだ成長が見込める血統。順調にいけば、秋には菊花賞ではなく、天皇賞・秋やマイルCSに駒を進めている可能性もある。
と日本ダービーまでは記したが、本馬は菊花賞に挑むことになった。天皇賞・秋やマイルCSは来年でも出られるし、何よりも挑戦の姿勢を崩さなかった英断を支持したい。
確かに血統的な見地から「クラシック三冠では皐月賞がこの馬にとって最大のチャンス」という見解は変わらないが、菊花賞に関して「絶望的」と述べるつもりもない。その理由に関しては菊花賞の際に触れたい。
日本ダービーの走りから、阪神2400mも当然守備範囲。だが、やはりベストではなく、このコースに向いていそうなサトノダイヤモンドとの差は確実あるはずだ。