【徹底考察スペシャル】凱旋門賞(G1) マカヒキ「『落鉄だけではない』ニエル賞で格下相手にクビ差の辛勝となった『原因』を徹底分析!日本の凱旋門賞制覇の可能性に迫る」
日本競馬はこれまで「この馬で負けたら仕方がない」という競馬界の頂点に君臨した名馬を、何度も凱旋門賞(仏G1、芝2400m)に送り込んできた。だが、その度に日本のホースマンの夢や思いは儚く砕け散った。
そしていつしか、この欧州最高の舞台を制することが日本競馬の「悲願」になった。
史上稀にみるハイレベルな世代として、早くから現在の競馬界の勢力図を塗り替えるといわれてきた『史上最強世代』。そんな稀代の3歳馬たちの中で、世代の頂点を決める日本ダービーを勝利したマカヒキは、日本を代表して凱旋門賞に挑むに相応しい存在といえるだろう。
だが、日本中の期待を背負ったマカヒキのフランス初戦は、勝利したものの決して「順風満帆」といえるものではなかった。
11日のニエル賞(仏G2、芝2400m)、直前で最大のライバルと目されていた今年の英愛ダービー馬ハーザンドが回避を表明。その結果、出走馬はわずか5頭、マカヒキを除けばG1どころかG3を勝った馬が一頭いるだけという寂しいメンバーとなった。
それを受けて、C.ルメール騎手は「多分、ニエル賞で3馬身、4馬身、5馬身……(離すことが)できると思います」と断言。メンバー構成、英大手ブックメーカー・ウィリアムヒル社で、マカヒキが単勝1.44倍の断トツ1番人気に推された事実を考慮しても、鞍上の強気な発言を実現しなければならない立場だった。