【徹底考察スペシャル】凱旋門賞(G1) マカヒキ「『落鉄だけではない』ニエル賞で格下相手にクビ差の辛勝となった『原因』を徹底分析!日本の凱旋門賞制覇の可能性に迫る」
その結果、ラストの上がり3ハロンのタイムだけはニエル賞が「33.98秒」で、日本ダービーが「34.2秒」を上回る高速上がりの決着となっている。
つまり、それだけニエル賞は出走各馬にとって「脚が溜められたレース」だったということだ。
これこそがマカヒキが最後まで着差を付けることができなかった大きな要因だ。
ペースが極端に遅いため各馬が止まらなかったこと、そして極限に速い上がりを使える馬場だったため、マカヒキ自身が推定33秒台の末脚を繰り出しても決定的な着差とはならなかったということだ。
その上で特筆すべきは今のシャンティイで、それだけの上がりタイムが出たことだ。
上がり3ハロン「33.98秒」。これは本来凱旋門賞が開催されるロンシャンでは考えられないタイムであり、つまりはこの日のシャンティイはそれだけ日本向きの「高速馬場」だったということだ。
多くのメディアは、同じシャンティイで行なわれた春のイスパーン賞をエイシンヒカリが10馬身差で圧勝した事実を取り上げて「シャンティイは日本馬向き」と述べているが、あの時は重馬場であり、仮に良馬場で開催されれば凱旋門賞の直接的な参考にはならない。
しかし、このニエル賞でレースの3ハロンが「33.98秒」を記録したという事実は、シャンティイがロンシャンと比較して間違いなく日本馬……。
延いては、これまですべてのレースで「上がり33.9秒以下」の豪脚を武器にしてきたマカヒキに向いた馬場であることの裏付けに他ならない。
ただ、当然懸念はある。