【徹底考察】天皇賞・秋(G1) ルージュバック「戴冠へ機は熟したのか……目下の充実ぶりは出走馬No.1も『臨戦過程』に大きな落とし穴?」
大外からの競馬のため前に馬を置けない状況が続いたが、戸崎騎手ががっちりと手綱を引いて折り合いをキープ。マイネルミラノが後続をやや離し気味に逃げる流れは、1000mの通過は60.5秒とまずまず。ルージュバックは先頭から10馬身程度のところを追走していた。
最後の直線に入ると、そこからはルージュバックの独壇場だった。先頭で粘るマイネルミラノを馬場の真ん中から並ぶ間もなく交わし去ると、後は戸崎騎手が追えば追うほど伸びるといった手応え。後続に2馬身つけたところで、最後は流し気味にゴールした。
さらに休み明けとなった秋初戦の毎日王冠の走りは、この馬のさらなる成長を感じさせるものだった。
快勝したエプソムCと同じ舞台で、またも外枠だが12頭中の10番枠とロスは少ない。今回はスタートが決まったが、無理せず後方からの競馬を選択している。休み明けということもあり、今回は前に馬を置いて折り合いに専念していた。
エプソムCと同じくマイネルミラノが引っ張る流れは、1000mの通過が60.3秒。時計的にはエプソムCとほぼ同じだが稍重の分、こちらの方がやや厳しい流れ。ルージュバックはやはり、先頭から10馬身近く離れた後方を追走していた。
最後の直線に入って、エプソムCと異なっていたことは2つ。
1つはペースが厳しさを増したことで、エプソムCでは3着に粘っていたマイネルミラノがまったく粘れずに早々に脱落したこと。そしてもう1つはアンビシャスの存在が、レースをルージュバックの独壇場にさせなかったことだ。
残り200mで完全に一騎打ちとなったアンビシャスとルージュバックだったが、激しい叩き合いの末、軍配は後者に上がった。本馬にとって、すでにG1級の力があるアンビシャスをねじ伏せた経験は、この先の大舞台での戦いに何よりも大きな収穫となったはずだ。