【徹底考察】天皇賞・秋(G1) ルージュバック「戴冠へ機は熟したのか……目下の充実ぶりは出走馬No.1も『臨戦過程』に大きな落とし穴?」

≪結論≫

 毎日王冠のレースぶりは、ルージュバックの充実ぶりを思わせる実に見事なレースだった。アンビシャスとの着差こそクビ差だが、3着ヒストリカル以下には3馬身以上の差をつける圧倒的な走りだった。

 無論、この日の東京は雨の影響で、開幕週にもかかわらず内側が伸びない特殊な馬場だった。したがって、ルージュバックやアンビシャスが後続に付けた差を鵜呑みにするのは軽率だが、それでも3馬身差はそう簡単には埋まらない差でもある。

 そうなってくると、いよいよ機は熟した感もあるが、気になる点が2つある。

 まず、ルージュバックの本格化を強く感じた近2走が、ともに54㎏での出走だったことだ。

 確かに2戦とも素晴らしい競馬だった。だが、エプソムCで2馬身1/2ちぎった2着フルーキーは58㎏を背負っていた。そして、毎日王冠でねじ伏せたアンビシャスも57㎏。本番の天皇賞・秋ではルージュバックが56㎏で、アンビシャスが58㎏と1kg差が詰まることになる。たかが1kgだが、毎日王冠での着差もたかがクビ差だ。

 そして、アンビシャスとの差も然ることながら、ルージュバック自身に馬格がないことが気に掛かる。2年前の9月に456㎏でデビューして、前走が454㎏。つまり、この2年間で数字的にはまったく増えていないということになる。

 その上で、ルージュバックが未だG1で今一歩足りない競馬が続いているのは、もしかしたら斤量が微妙に影響している可能性があるということだ。馬格がなく軽い体重の馬は、物理的に斤量の増減にはそれだけ敏感になる。

 ルージュバック自身、56㎏は中山牝馬Sでシュンドルボンに負けた時の斤量だ。今の充実ぶりから大敗する可能性は低いだろうが、斤量を背負ったことで春のヴィクトリアマイルで見せたような今一歩足りない”従来の姿”をさらけ出してしまう可能性はまだ残っている。

 そして、もう1つは天皇賞・秋に挑むにあたっての臨戦過程だ。

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