【徹底考察】マイルCS(G1) サトノアラジン「ついに来たキャリア最大のチャンス!ただし、戴冠には『あの馬』のアシストが欲しい」
『考察』
エリザベス女王杯(G1)の勝ち馬となるラキシスの全弟として、幼少の頃から「大器」と評されてきたサトノアラジンだが、ようやくG1戴冠の最大のチャンスが巡ってきたのかもしれない。
昨年のマイルCS(G1)、今年の安田記念(G1)と共に4着で、あと一歩足りない競馬が続いているが、その2戦で共に先着を許したモーリスが不在、さらにはフィエロも前走のスワンS(G2)で大敗するなど、一時の勢いはない。今やサトノ軍団は「G1を勝てる」集団。順当に行けば、そろそろ”順番”が回ってきてもおかしくはないだろう。
前走のスワンSは、まさにこの馬の充実度を示すような圧巻の競馬だった。
ゲートが開いた直後に1番人気のフィエロが躓くという波乱のスタート。サトノアラジンもダッシュがつかず、後方に置かれている。エイシンスパルタンが引っ張る流れは最初の600mが34.4秒。昨年よりも0.2秒速く、ここ5年では最も速いタイトなペースだ。
道中、隊列的には中団やや後ろというほぼ同じような位置取りで並走していたフィエロとサトノアラジンだったが、対照的だったのは4コーナー以降の動きだった。
内を進んだ分、外に出せずに馬群に突っ込んだフィエロと、4コーナーで大きく振られながらも大外に持ち出したサトノアラジン。通った進路の違いから、直線入り口ではフィエロが2馬身ほど前にいたが、大外から存分に末脚を発揮したサトノアラジンのキレは極上だった。