【徹底考察】ジャパンC(G1) シュヴァルグラン「悲願のG1初制覇に向け『時』は来た。完勝のアルゼンチン共和国杯で克服した『背景的なハンデ』とは」
『考察』
妹のヴィブロス(秋華賞)に先を越された感のあるシュヴァルグランだが、ここ10年の勝ち馬から4頭のG1を送り出している出世レース・アルゼンチン共和国杯(G2)を制したことで、いよいよ天下獲りが現実的となってきた。
春には阪神大賞典(G1)を勝ち、天皇秋・春(G1)でも3着。一線級とも互角に戦えることを証明したものの、期待された宝塚記念(G1)では9着と一歩後退。それでも、ここに来てG1勝ちが現実味を帯びてきているのは、やはり前走の内容が秀逸だったからに他ならない。
6日に今回と同じ、東京競馬場で行われたアルゼンチン共和国杯。
本馬が3.9倍の2番人気に甘んじたのは、京都大賞典(G2)を使う予定ながら復帰が遅れたこと、トップハンデの58㎏を背負ったこと。そして、何よりも1番人気のモンドインテロに騎乗していたC.ルメール騎手が1日7勝(最終レースを勝って8勝)と大暴れしていたからだろう。
レースは大きな出遅れもなく始まったが、好スタートを切ったクリールカイザーがすんなりハナを切る展開。戦前からの予想通り競り掛けてくる馬もおらず、長距離戦らしいゆったりとした出だしになった。
1コーナーを回り切る頃には隊列も固まり、シュヴァルグランは行きたい馬を行かせて好位集団を見るような形の6番手。いつもよりも前目の競馬だが、これは主戦の福永祐一騎手がスローを見越してのことだったとレース後に明かしている。