【徹底考察】チャンピオンズC(G1) アウォーディー「武豊騎手と共に掴んだダート界の新王者。だが『最大のライバル』との勝負付けはまだ終わっていない」
『考察』
昨年の5歳秋、キャリア27戦目でのダート転向が、アウォーディーのすべてを変えた。
母が天皇賞馬ヘヴンリーロマンスで、父が日本ダービー馬ジャングルポケットなら芝での活躍を意識して当然だが、もしこの馬がもっと早くダートを使われていれば、どうなっていただろうか。少なくとも、ホッコータルマエの長期政権はもっと早く終わりを告げていたかもしれない。そう思わせるだけの内容が、この破竹の6連勝にはある。
特にダート界の新王者として君臨した前走のJBCクラシック(G1)は、この馬の底知れぬ力を感じさせるに十分な内容だった。
G1を3連勝中だったコパノリッキーに、G1競走10勝の最多勝記録保持者ホッコータルマエ。さらにはノンコノユメやサウンドトゥルーなど、現在のダート界を牽引するトップホースが顔を揃えた、まさしく頂上決戦に相応しいメンバー構成だった。
好スタートを切ったのはホッコータルマエ。抜群の加速からハナを奪いに行くが、内で船橋所属のサミットストーンが出ムチを入れて抵抗。半ば強引に主導権を握った。
コパノリッキーもまずまずのスタートからすんなり好位に取り付くと、アウォーディーがそれをマークするような形で続く。ノンコノユメ、サウンドトゥルーといった末脚自慢も中団に取り付く。序盤が速くなったため、ついて行けない馬がちぎれる展開となった。
前と後ろとで2つの集団ができる、力関係のはっきりしたシビアな展開。やがてペースがじょじょに落ち着いたが、勝負は早くも全JRA勢がひしめく前方の集団の中で行なわれることが決まりつつあった。
そのまま向正面の残り800mを切ったところで、一気にペースが上がっていく。
ここまで先団を引き連れていたサミットストーンが苦しくなって、代わるようにホッコータルマエが先頭へ。すぐにコパノリッキーも外から並び掛け、それに呼応するようにアウォーディーも差がなく続く。