香港の馬券売上が示した明確な「傾向」日本が国際競争を勝ち抜くために待望論があった同日の複数G1開催にファンが示した「答え」とは


 ただ、これはメディアやJRAの責任というよりも、馬券購入者として情報を受け取る側が割ける時間の問題もあり、仮に各メディアやJRAが出走全馬の詳細に至るまで徹底的に報道したとしても、今度は受け取る側が短時間で把握できるキャパシティーを超えてしまう。

 つまり、この辺りがピンポイント的に行う海外レースの馬券発売における「限界」なのかもしれない。また、馬券を購入できる時間が国内のレースと比較して短いことも、今後の大きな課題となりそうだ。

 さらに、香港国際競走4レースの馬券売上には「もう一つ」の興味深い傾向が読み取れた。

 先述したように香港Cこそ18億8326万6900円とまずまずの売上だったが、他はマイルが8億9661万8800円、ヴァーズが4億8756万900円、スプリントが5億5326万200円と軒並み売上を伸ばせなかった。

 特に顕著だったのがヴァーズとスプリントの2レースで、これらは先月のメルボルンCの6億9737万1200円や、ブリーダーズCフィリ―&メアターフの8億596万3400円さえ下回っている。

 ただ、日本馬がほぼノーチャンスといわれていた先月の2レースよりも、世界王者ハイランドリールが出走していた香港ヴァーズ、日本でも馴染みのあるエアロヴェロシティやビッグアーサーが名を連ねた香港スプリントの方が「馬券を買いやすいレース」に思えたのは筆者だけだろうか。

 さらに同日の阪神JFの売上は114億9596万6800円に留まっており、前年比は‐2.5%。これは軒並み好調な傾向が続く今年のG1売上では、桜花賞の-2.6%に次ぐ下降となる。

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