JRA横山典弘の「お株」を奪う“ポツン”最後方!? フェブラリーS(G1)ブリンカーだけではなかった陣営がワンダーリーデルに施した工夫とは
21日、東京競馬場で行われたフェブラリーS(G1)は、C.ルメール騎手が騎乗した1番人気のカフェファラオが優勝。2着に9番人気のエアスピネル、3着には8番人気のワンダーリーデル(牡8歳、栗東・安田翔伍厩舎)が入り波乱を呼んだ。
レースは16頭立てのダート1600m戦。前目につけることが予想されたインティが出遅れ、最内枠を利してエアアルマスがハナを奪う展開となった。
その外からワイドファラオがエアアルマスに競りかけ、カフェファラオは2列目を追走。横山典弘騎手が騎乗したワンダーリーデルは、スタート後に内側へ寄せていき中団の最内を進んだ。
エアスピネルはワンダーリーデルの後ろにつけ、その外に3番人気のレッドルゼル。さらにその後ろをインティが追走する形で直線に入った。
カフェファラオが外に持ち出すと、残り200mでエアアルマスを捉え先頭。さらに外へと持ち出したエアスピネル、カフェファラオの内を突いたワンダーリーデル、外からはレッドルゼルも脚を伸ばした。
最後はカフェファラオがそのまま押し切ると、外から伸びたエアスピネルが2着。レッドルゼルも脚を伸ばしたが、横山典騎手の好騎乗によりインを突いたワンダーリーデルが3着に粘り込んだ。
横山典騎手は「最高だった。うまくいったんだけどね。今日に関しては、ただ負けただけ」と自らの騎乗に自画自賛。「馬も8歳馬なのにまだ若くて、本当に凄い馬だよ」と3着に健闘したワンダーリーデルを労った。
2、3着の人気薄2頭は、道中で最内を追走した馬。距離ロスのない立ち回りが、好走の決め手となったのは間違いないだろう。
「横山典騎手はさすがの騎乗でしたね。これまで後方追走から差し脚を伸ばす競馬をしてきたワンダーリーデルでしたが、この日はブリンカーの効果もあってか中団の最内を追走。最後まで脚を伸ばした馬も立派でしたが、横山典騎手の進路取りが噛み合った結果だと思います」(競馬記者)
レース前、陣営は「最後フワッとするところがあるので、競馬でもブリンカーを着けようと思います。1回使って肉体よりも精神面がスッキリしましたね」と、気持ちの面で上積みがあることを示唆していた。
今回を除けば、これまでワンダーリーデルは休み明けを叩いた次のレースで全て着順が上昇。今回のフェブラリーSを使うにあたり根岸S(G3)を挟んだのも、陣営の意図したところだったのではないだろうか。