皐月賞「三強」は幻だったのか……日本ダービー(G1)へ向けて、浮かび上がる「現状」と「課題」
先日の皐月賞(G1)は、8番人気の伏兵ディーマジェスティが「三強」の争いに期待した大方のファンの予想をあざ笑うかのような激走。皐月賞の「三強」は単にファンやマスコミが作った”幻想”だったのか、それとも……。
『春のG1連戦スペシャル企画』の第2弾、来る日本ダービー(G1)に向け【徹底考察】の関西版でお馴染みの御意見番・下田照雄氏にお話を伺ってみました。
「3強の皐月賞」の真相
記者:今日はよろしくお願いします。
競馬評論家下田照雄氏(以下下田):よろしくお願いします。
記者:さっそくですが、先日の皐月賞は単勝2.7倍の1番人気がサトノダイヤモンド、2.8倍で2番人気がリオンディーズ、3.7倍で3番人気がマカヒキ。4番人気のエアスピネルの単勝が16.1倍だったことからも、まさに「三強」のレースでした。しかし、勝ったのは8番人気のディーマジェスティ。まずは簡単にディーマジェスティのお話し頂けますか。
下田:私の担当は主に栗東なので関東馬のディーマジェスティに関して、あまり詳しいことは知りません。ただ、少なくとも皐月賞がフロックでないことは確かだと思います。
記者:それは何故ですか。
下田:理由は色々ありますが、一番わかりやすくいうと、ただ単にハイペースの展開がハマっただけなら、さらに後ろから来たマカヒキに差されているはずです。ところがこの馬はマカヒキに0.2秒差をつけて完勝しています。つまり、弱い馬が展開に恵まれたわけではないということです。
記者:なるほど。では、ここからが本題ですが、皐月賞の「三強」はやはりそれほど抜けた存在でもないのでしょうか。
下田:いえ、そんなことはありません。あの馬たちはとても強いですし、後々G1を勝つ可能性も十分あります。ただ、先週の皐月賞で敗れたように、それぞれが「課題」を持っているということです。
記者:課題ですか。できれば一頭ずつお聞かせ願いたいのですが、まずは2着だったマカヒキからお願いします。
下田:マカヒキは事前の追い切りでも抜群の動きでしたし、はっきり言って皐月賞を獲りに来ていた一頭だと思います。その上で敗れてしまったのは、もちろんディーマジェスティが強かったこともありますが、テン乗りだった川田騎手がマカヒキの競馬を貫いた結果だと思います。
記者:川田騎手が敗因だったと?