「衝撃」再び……怪物ファンディーナの進化にクラシック戦線が震撼!「遅れてきた大物」が、かつてない壮大なスケールでいよいよ「本番」へ
珍しいほどの超スローペースだったとはいえ、この日の京都で上がり33秒台を叩き出した馬はファンディーナしかおらず、それどころか34秒台を切った馬さえいない。それを最後方からならまだしも、番手で折り合って繰り出しているのは、ごく控えめに述べても3歳牝馬として「規格外」としか述べる他ない。
無論、まだまだ未知数の部分は残されているが、下手をすればハイレベルな今年のクラシックを彩る名牝たちすべてが「生まれた時代が悪かった」という状況にもなりかねないほどのスケールだ。
まだ2戦目を終えたばかりの3歳牝馬に対してやや”持ち上げすぎ”な感も否めないが、そんな感触を覚えたのは、おそらく2002年の夏にファインモーションが阿寒湖特別(1000万下)を勝った時以来かもしれない。
あの時も「勢力図が根こそぎひっくり返るかも……」と、どこか戦慄にも似た底知れない衝撃を受けた記憶がある。
単純に、競馬ぶりがやや似ているせいもあるのかもしれない。だが、好位から瞬時にトップギアに切り替わるような圧倒的な瞬発力、そして前を走る馬を力でねじ伏せるような走りは、やはり無敗のまま秋華賞(G1)とエリザベス女王杯(G1)を連勝した、かつての「規格外」の名牝を彷彿とせざるを得ないのだ。
今後の指針に関して高野調教師は「様子を見ながら」と話すに留めているが、いずれにせよクラシックという明確な目標は見えており、本格的な戦いが始めるのはこれからだ。
果たして、ハイレベルな牝馬クラシック戦線に現れた「遅れてきた大物」は、どこへ向かうのか。その注目度は、日に日に高まるばかりである。