JRAが主導する”大改革”で超一流ベテラン騎手が「騎乗馬なし」の異常……競馬界の水面下で今、一体「何」が起こっているのか?
春のG1連続開催の幕開けとなる高松宮記念(G1)を翌週に控え(今年から大阪杯がG1に昇格したので、連戦はここから始まる)、にわかに盛り上がり始めた昨今の競馬界。今週も今年の主役サトノダイヤモンドが始動戦を迎えるなど、その注目度は日に日に高まっている状況だ。
しかし、その一方で競馬界の”水面下”では今、大きな動きがみられる。
それがいよいよ表面化したのが、本日18日に関東の有力騎手となる横山典弘騎手と、蛯名正義騎手が「騎乗馬なし」という”異常事態”に陥っている事実だ。
本件の中心にいるのが、「エージェント」と呼ばれる騎乗依頼仲介者たち。エージェントとは基本的に担当する騎手の騎乗馬の管理や調整を行い、馬主や調教師と騎手との間に入って騎乗依頼を受けたり、それを最適化したりすることが主な役割となっている。
したがって、現在の騎手の成功はある意味「エージェント次第」となっており、その影響力は近年ますます増大し、以前からパワーバランスを問題視する声も多かった。
代表的なものが先日、北海道競馬への騎手復帰をほのめかせた藤田伸二元騎手のJRA引退の引き金になった一件だ。藤田騎手は騎乗者の技量よりも、エージェントの力で騎乗馬の質が決まってしまう競馬界の在り方に憤りを感じ、2015年の夏競馬終了時に唐突にムチを置いた経緯がある。この時もエージェントの在り方が、大きく問題視された。
そこでついに重い腰を上げたのが、競馬を主催するJRA(日本中央競馬会)だ。
今月13日に発売された『競馬最強の法則・4月号』(KKベストセラーズ)によると、JRAは今年1月末に関東の騎手を集め、エージェントの在り方に関する懇談会を開いたようだ。その結果、まず「兼業エージェント」を廃止する方針を固めたという。