皐月賞スワーヴリチャードは本当に「安牌」? ゴルシ・イスラ・ドゥラ・ディーの「共通点」過去5年4勝・共同通信杯組の「明暗」を見抜く秘訣
「考察」
過去5年間で4頭の皐月賞馬を輩出している共同通信杯(G3)からの直行は、今や皐月賞への「黄金ローテ」といえるのかもしれない。今年は2馬身半の差をつけて完勝したスワーヴリチャードが駒を進めてきた。
2012年のゴールドシップ、14年のイスラボニータ、16年のディーマジェスティ、15年に至っては勝ったリアルスティールと2着のドゥラメンテが着順を入れ替えてワンツーしている。もはや「共同通信杯の勝ち馬」というだけで、黙って買うべきなのかもしれないが、まずはその前走を振り返ってみたい。
11頭立てで行われた今年の共同通信杯。この時点での前評判の高い有力馬が集結し、戦前から「ハイレベルな一戦になる」といわれていた。
1枠1番に絶好枠ながら、今回もスタートで立ち遅れるスワーヴリチャード。この馬の最も大きな課題はゲートといえるだろう。ゲートからの出方も上手くなければ、それほどのダッシュ力もないため、どうしても中団以下からの競馬を強いられる。
だが、この日はスタート直後にコーナーの東京1800mということもあって、内枠を活かして好位に取りついている。運よく、内側がエアーポケットとなっていた。1000mの通過は60.6秒とまずまず締まったペース。ただし、その後も直線までペースは上がらず、結局最後は瞬発力勝負となっている。
スワーヴリチャードは最後の直線入り口で馬場の4分所に持ち出して進路を確保。馬なりのまま先頭に並びかけると、ラスト200mのところで鞍上の四位洋文騎手のゴーサインに応えて後続を突き放した。結局放たれたムチは一発だけ、最後は流してゴールしている。内容的には完全に一枚上といったものだった。
まず、スタートで出遅れながらも好位に取りついたのは、レース後に四位騎手が「この後の中山を見据えて、ある程度出して位置を取りに行くレースをしようと調教師と話していた」とコメントしたように意図的なもの。