C.ルメール「54歳」に大チャンス!? 足掛け18年「クリスマス有馬記念」に隠された血の物語
25日、中山競馬場で行われた総決算・有馬記念(G1)は、1番人気のイクイノックス(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)が勝利。2着にも3歳馬のボルドグフーシュが粘り込み、全国の競馬ファンに世代交代を印象付けた。
「皆さん、メリークリスマス!」
6年ぶりの“クリスマス・グランプリ”を飾ったのは、やはりこの男だった。勝利騎手インタビューで拳を突き上げたC.ルメール騎手は「ブラボー!」と3回絶叫するなど大興奮。今年は5年守ってきたリーディングジョッキーの座を明け渡すなど、苦しい一年となったが「終わり良ければすべてよし」と言わんばかりの満面の笑みだった。
「僕にとってクリスマスの日は、二度あることは三度あります」
本人がそう明かしたように、ルメール騎手は過去にも12月25日に開催された有馬記念を2勝するなど相性抜群。今回を含め、これまで4度騎乗して3勝、エイシンフラッシュで2着するなど連対率は100%だ。
そんなクリスマス男のルメール騎手だが、実はもう一つ興味深いジンクスがある。
「クリスマス有馬記念」に隠された血の物語
ルメール騎手にとって最初のクリスマス有馬制覇は2005年のハーツクライ。当時、武豊騎手と共に社会現象になっていた無敗の三冠馬ディープインパクトが敗れたレースとしてフィーチャーされることも多いが、実はルメール騎手にとっては嬉しいJRA・G1初制覇でもあった。
それから11年後の2016年。今度はサトノダイヤモンドで、当時の競馬界の看板だったキタサンブラックを撃破。道中では同馬主のサトノノブレスがキタサンブラックを執拗にマークしたことで、レース後に武豊騎手が「連携プレーにやられた」と発言したのは有名な話だ。
ここまで話せば、お気付きの方もいるかもしれない。そう、クリスマス開催の有馬記念ではルメール騎手が、スターホースに騎乗した武豊騎手を……。ではなく、注目してほしいのは「血統」である。
1度目のハーツクライこそ、今や日本競馬の伝説となったサンデーサイレンスの仔だが、2度目のサトノダイヤモンドは、そのハーツクライが有馬記念で破ったディープインパクトの仔なのだ。
ここまでなら競馬によくある血のロマンだが、実は今回のイクイノックスはキタサンブラックの仔。そう、6年前にルメール騎手とサトノダイヤモンドが破った因縁の相手なのだ。まさにルメール騎手が言う通り「二度あることは三度あります」である。
ちなみに、次回のクリスマス開催の有馬記念は11年後の2033年。今年43歳のシーズンを迎えているルメール騎手がまだ現役を続けているかはわからないが、もしイクイノックス産駒に騎乗していたなら、例え大穴だろうと「◎」を付けたい。