ドウデュースの次戦は「凡走」の可能性も!? タイトルホルダー撃沈で浮上した激戦の重み
25日のクリスマスデーに開催された今年の有馬記念(G1)。勝ったのは、1番人気のイクイノックスだった。
レース後には主戦のC.ルメール騎手が「本当に一番強い」と称えれば、管理する木村哲也調教師も「これまでこんな馬を管理したことはありません」と絶賛した。道中は中団外目を追走したにもかかわらず、最終コーナーを絶好の手応えで回ると、最後の直線では鋭い末脚が爆発。終わってみれば、2着ボルドグフーシュに2馬身半差をつけたのだから、称賛されて然るべき内容だったと言えるだろう。
一方、そんなイクイノックスと人気を分け合ったタイトルホルダーは、9着と期待に応えることが出来ず。昨年の5着を上回るどころか、逆に着順を落とした格好だ。
ただ、レース後に鞍上の横山和生騎手が「これほど負けるとは思いませんでした」と振り返った通り、この馬の能力からすればやや不可解な敗戦に映ったのも確か。自ら逃げて刻んだラップは特別ハイペースというわけでもなく、舞台が違うとはいえレコード勝ちした宝塚記念(G1)と比べるとやや物足りない印象があった。
「凡走の理由は幾つか考えられますが、凱旋門賞(G1)を使ったこともその一つに挙がるかもしれないですね。今年の凱旋門賞は欧州特有の時計のかかるタフな馬場に加え、前日からの雨が残る重馬場。時計の速い馬場に慣れている日本馬にとっては、見えないダメージが残っていた可能性もあります。
昨年は凱旋門賞から直行したディープボンドやクロノジェネシスが有馬記念で2、3着に好走していますが、2頭はいずれも日本のG2以上の重馬場で勝利経験のある道悪巧者ですので、そこまで影響はなかったとも考えられます。
一方でタイトルホルダーは日本の重馬場以上で走った経験がありませんし、着順も振るわなかったことから、欧州で初めて走った重馬場が相当堪えたのかもしれません」(競馬誌ライター)
確かに、9着に敗れたタイトルホルダーだけでなく、ディープボンドもまた凱旋門賞から直行で8着に敗れているのは気になるところ。2着した昨年とは枠順や年齢も違うとはいえ、結果だけみればタフな馬場を得意とするディープボンドにとっても、今年の凱旋門賞はより一層ハードなレースだったのかもしれない。
そこで気になるのが、2頭と同じく凱旋門賞に出走していたドウデュースの存在だ。
次戦は「凡走」の可能性も!?
タイトルホルダーやディープボンドとは違い、ドウデュースはニエル賞(G2)を挟むなど欧州で2戦。しかも、いずれも重馬場とタフな競馬を強いられている。
当初はジャパンC(G1)に出走する予定だったドウデュースだが、最終的に見送った。友道康夫調教師が「もう少し時間がほしいという感じ。どこが悪いというわけではない」とコメントした通り、想像以上にダメージが残っていたのだろう。
期間を十分に空けて、来年2月の京都記念(G2)で復帰を見込んでいるものの、かつては同厩のダービー馬マカヒキが同じように凱旋門賞帰りで京都記念から始動したが、単勝1.7倍を裏切る3着に敗れている。
有馬記念でタイトルホルダーが不可解な敗戦を喫したことにより、改めて凱旋門賞のダメージが懸念されるドウデュース。イクイノックスを破ったダービー馬とはいえ、京都記念は今一度真価が問われる一戦となりそうだ。