かつての「新人王」武豊、福永祐一も大苦戦。今村聖奈「中山初参戦」は茨の道!?

今村聖奈騎手 撮影:Ruriko.I

 有馬記念(G1)が終わり、今年のJRA開催も残すはあと1日。最終日となる28日の中山競馬場では、2歳頂上決戦のホープフルS(G1)が開催される。

 そのホープフルSでG1初騎乗を叶えるのが、ルーキーの今村聖奈騎手だ。新馬、野路菊S(OP)で手綱を取ったスカパラダイス(牡2、栗東・寺島良厩舎)とのコンビで、出走を予定している。

 そして今村騎手にとってこの日は、中山初参戦という記念すべき日でもある。

 今年は7月のCBC賞(G3)で重賞初騎乗・初制覇を飾っただけでなく、先日にはJRA史上5人目となる1年目での年間50勝を達成した今村騎手。新人王確実という大型ルーキーだけに、中山初勝利を期待するファンも少なくないだろう。

「中山初参戦」は茨の道!?

 だが、例え新人王クラスの器であっても、トリッキーと言われる中山コースを攻略することは、そう簡単ではない。実際、かつて同じ関西所属で新人王を獲った武豊騎手や福永祐一騎手でさえも、中山初参戦時は苦戦を強いられているからだ。

 ちなみに武豊騎手の中山初参戦は、デビュー2年目(1988年)の有馬記念デーだった。

 2年目にして当日までに113勝を挙げ、前月の菊花賞(G1)ではスーパークリークでG1初勝利を飾るなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いがあった武豊騎手。この日の中山初参戦は、有馬記念で4番人気のスーパークリークを始め、騎乗する5頭中2頭が1番人気と中山初勝利の可能性は十分だった。

 しかし、初参戦は2着が最高。それに加え、肝心の有馬記念では他馬の進路を妨害してしまい、3着に入線したはずのスーパークリークが失格となる苦い思いを味わっている。

 その後、毎年のように中山参戦を試みるも勝利は遠く、初勝利を挙げたのは5度目の参戦時だった。それでも、記念すべき中山初勝利がバンブーメモリーで制したスプリンターズS(G1)だったのだから、「持っている」とでも言うべきだろうか。

 また福永騎手の中山初参戦は、武豊騎手より一足早いデビュー2年目(1997年)の春だった。

 G1デーではなかったものの、クリスタルC(G3)が行われたこの日。福永騎手が騎乗した3頭中2頭は4番人気以内の馬だったが、武豊騎手と同じく2着が最高だった。オースミジェットと臨んだクリスタルCも4着に敗れ、自身初の重賞勝利もお預けとなった。

 その後、福永騎手も苦戦が続き、初勝利を挙げたのは7度目の参戦時。朝日杯3歳S(G1、現朝日杯フューチュリティS)をエイシンプレストンで制している。

 奇しくも武豊騎手と同じ中山初勝利がG1となったわけだが、両者とも初勝利までに時間を要していることに変わりはない。例え、新人王に輝くような技量を持っていたとしても、初の中山コースで勝利を挙げることは、それだけ至難の業というわけだ。

 28日は、ホープフルSで騎乗するスカパラダイスの他にも、新馬・未勝利・1勝クラスなどで騎乗予定がある今村騎手。果たして、初の中山コースを攻略することはできるだろうか。

ハイキック熊田

ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

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