C.ルメール「正月ボケ」でフェアリーS(G3)は期待薄!? エナジーチャイムも該当する「34戦0勝」の負の連鎖
昨年は6年連続リーディングこそ逃したものの、暮れの有馬記念(G1)をイクイノックスで勝利、最終日のホープフルS(G1)では伏兵キングズレインで3着に入るなど、年の瀬に抜群の存在感を示したC.ルメール騎手。年始は例年通り正月休みを取って、9日から2023年の初騎乗を迎える。
そんなルメール騎手にとって、今年初重賞となるのがフェアリーS(G3)だ。上位人気の一角を担うエナジーチャイム(牝3、美浦・手塚貴久厩舎)に騎乗予定となっている。
前走の京王杯2歳S(G2)はスタートで後手を踏みながら、上がり最速の脚を繰り出して8着まで猛追。敗れたとはいえ、レース後には「まだ経験が浅いし、レースを使いながら良くなってくると思う」とルメール騎手は前向きなコメントを残した。
陣営も「(前走は)思った以上に脚を使った」と素質を高く評価していることに加え、今回は牝馬同士の一戦。春のクラシックへ参戦するためにも、ここはきっちり重賞初制覇を決めたいところだろう。
しかし、気になるのは「馬」の方ではなく「人」だ。
鞍上を務めるルメール騎手は過去に5度もリーディングを獲得したトップジョッキーではあるものの、年始はエンジンのかかりが遅くスロースターターとして有名。特に「初日」に関しては、以下の通り成績的にも鬼門となっている。
■ルメール騎手の初日成績(2018年以降)
2022年 「0-0-0-5/5」
2021年 「0-1-1-4/6」
2020年 「0-0-1-5/6」
2019年 「0-2-0-5/7」
2018年 「0-6-0-4/10」
例年初日となる東西の金杯を欠場し、正月休みを取るようになった2018年以降は、ここ5年で勝利がない。しかも、計34戦の内33戦が5番人気以内の馬に騎乗しており、その中には単勝1倍台が10頭もいた。本来のルメール騎手の手腕からすれば、まさに「正月ボケ」といっても過言ではない不振ぶりだ。
また、この間に重賞は2度参戦があったものの、2018年の日経新春杯(G2)と2022年のシンザン記念(G3)でいずれも7着に敗戦。なかでも昨年のシンザン記念は、新馬勝ちした際にルメール騎手が「新しいグランアレグリア」と絶賛したラスールの鞍上を任されながら、単勝1.8倍の断然人気を裏切る結果となっている。今回のフェアリーSでも、過信は禁物かもしれない。
ちなみに、初日となる9日はエナジーチャイムの他にも3頭の騎乗を予定しているルメール騎手。いずれも前走の内容から上位人気に推されそうな存在ではあるが、はたして5年間続いている負の連鎖を断ち切ることは出来るだろうか。