武豊×キタサンブラック産駒の超良血が惨敗デビュー…キーファーズ3歳世代に試練も「大トリ」は期待大!?
15日、中京競馬場で行われた6Rの3歳新馬は6番人気のマスクトディーヴァがデビュー勝ち。祖母に重賞3勝のビハインドザマスクがいる良血が、中団から鮮やかな差し切り勝ちを決めた。
レース後、手綱を取った吉田隼人騎手は「能力は感じられましたし、ラストはいい脚を使ってくれた」とパートナーを称賛。勝ち時計の2分3秒5は、前日の愛知杯(G3)に出走していれば、アートハウスの3着(いずれも重馬場)に入る好時計だった。
そんなマスクトディーヴァと同じく良血でありながら、3番人気に推されブービー負けを喫してしまったのが武豊騎手のブラックヒル(牡3、栗東・四位洋文厩舎)だ。
父は有馬記念(G1)などG1・7勝のキタサンブラック、母はサンクルー大賞(G1)を含む仏G1・3勝のサラフィナというブラックヒル。いわゆる「超良血」だけに、デビュー戦で上位人気に支持されるのも納得がいく存在である。
ところが、スタートを決めて好位につけたまでは良かったものの、3コーナーでは早くも手応えが悪くなり、鞍上の武豊騎手が懸命に促す場面も。最後の直線に入ってからはズルズルと後退し、結果的に12頭立ての11着に大敗した。
「ブラックヒルの父キタサンブラックは不良馬場の天皇賞・秋(G1)を制していて、母サラフィナも時計がかかるフランス競馬で活躍。それに加え、両親はいずれも芝2400mのG1勝ちがあり、馬場・距離ともに好材料かと思ったのですが、残念な結果となりました。それでもまだ明け3歳となったばかりで、デビュー戦を終えたばかり。次に期待しましょう」(競馬誌ライター)
ブラックヒルのオーナーは、ダービー馬ドウデュースを所有するキーファーズ。昨年はドウデュースの他にも、デビュー2連勝で野路菊S(OP)をレコード勝ちしたロンや、フィリーズレビュー(G2)とフローラS(G2)でいずれも4着に入ったマイシンフォニーなど、クラシック世代の活躍が目立った。
だが、そんなキーファーズも現3歳世代については昨年から未勝利が続いている。
キーファーズの3歳馬は計4頭いるが、小倉大賞典(G3)の覇者で大阪杯(G1)3着のアリーヴォを兄に持つダミエが新馬で4着、JBCスプリント(G1)を制したダンシングプリンスを叔父に持つドラクロワは新馬で10着、未勝利は8着といずれも勝利がない。
3歳世代に試練も「大トリ」は期待大!?
さらに今回はブラックヒルも敗れ、これでデビューを控えるのはコチョウラン(牝3、美浦・蛯名正義厩舎)のみ。今春のクラシックへ向けても、まさに崖っぷちの状況だ。
ただ、このコチョウランも中々の血統馬。無敗の三冠馬ディープインパクトの妹であるヴェルザンディを母に持ち、牝馬ながら一昨年のセレクトセールにて1億560万円で取引された高額馬でもある。
さらにコチョウランを管理するのは、騎手時代に武豊騎手と同期だった蛯名正調教師。キーファーズ所有という点も重なって、武豊騎手がデビュー戦の鞍上を務める可能性は高く、同期タッグ結成なら力が入るはずだ。
まだ具体的なデビュー日こそ決まっていないが、キーファーズにとってコチョウランはクラシックへ向けた最後の頼みの綱となるかもしれない。3歳世代の「大トリ」は、果たしてどんな競馬をみせてくれるだろうか。