JRA横山武史“エフフォーリアの呪縛”から解放!? 大器ソールオリエンスと京成杯圧勝、2年近く続いた不名誉な「珍記録」に終止符
15日、中山競馬場で開催された京成杯(G3)は、横山武史騎手とソールオリエンス(牡3、美浦・手塚貴久厩舎)のコンビが優勝。デビューから無傷の連勝で重賞タイトルを手に入れた。
最終追い切りでも能力の高さに自信を隠さなかった陣営の期待通り、1頭だけモノが違う走りを披露したソールオリエンス。直線でフラフラする幼さを見せたが、終わってみれば2着オメガリッチマンに2馬身半の差をつける完勝だった。
また、昨年に続いて関東馬が制したように、京成杯に限っては「西高東低」よりも「東高西低」の傾向が色濃く出たことも覚えておきたい。2017年コマノインパルスからの連勝は、今年のソールオリエンスを含めて7連勝。来年の京成杯でも関東馬には注目が必要となりそうだ。
「馬はかなり能力を持っています。他馬に迷惑をかけてしまったので申し訳ない気持ちでいっぱいです。まだまだ全体的に緩い馬なのでそのあたりも含めて、精神的にもフィジカルも成長が欲しいですが、期待していい馬だと思います」
圧勝劇をそう振り返った横山武騎手は、パートナーの能力の高さを再認識。管理する手塚調教師も「課題はたくさんありますが、力があることを再認識しました」と納得のコメントを残した。陣営によると、重賞を勝ったことで賞金の加算に成功したため、本番に直行する可能性もあるという。混戦模様の傾向にある3歳世代にとっても、頼もしいスター候補が誕生したといえるのではないか。
今年初重賞勝ちを収めた横山武騎手は、昨年11月の京王杯2歳S(G2)をオオバンブルマイで勝利して以来の重賞勝ち。以降に続いた重賞での連敗も12でストップさせることに成功した。
2年近く続いた不名誉な「珍記録」に終止符
その一方で横山武騎手には、意外にもちょっとした不名誉な珍記録のストップも懸かっていた。
G1やG2で活躍する期待の若武者だが、実はG3に限っては勝てない日々が続いていたのだ。何しろ最後にG3を勝利したのが、2021年2月の共同通信杯(G3)。9日のフェアリーS(G3)を2番人気ディナトセレーネで10着に敗れ、40連敗の大台に乗ったばかり。今回の京成杯を優勝するまでにG1・5勝を含む重賞11勝を挙げながらも、不思議なことにG3は勝てていなかった。
かといってG1やG2の大レースを勝っているのだから、G3に限って謎の連敗を続けていたことを気にしていたファンは、それほど多くはなかっただろう。G3しか勝てないよりも、よほどインパクトが残るからだ。
大一番に強いキャラクターも、勝負強い横山家の血といったところか。いずれにしても絶対的なパートナーであるエフフォーリアで勝利後から続いていた不名誉な記録に終止符を打てたことは事実。2年近く続いた呪縛から解放されたことで、次に騎乗するG3であっさり連勝することがあるかもしれない。