AJCC(G2)「究極仕上げ」の穴馬に勝負気配…ガイアフォース「断然ムード」に波乱の余地
ガイアフォースよりも注目したい実力馬?
新春の中山競馬を締めくくるAJCC(G2)。22日に開催される伝統のG2は、今後の中長距離戦線を展望するうえで注目の1戦となる。
中心となりそうなのは、2走前に同舞台のセントライト記念(G2)を勝っているガイアフォース(牡4歳、栗東・杉山晴紀厩舎)か。19日現在、『netkeiba.com』の予想オッズは単勝1倍台の1番人気と大本命に推されそうな雰囲気だ。
デビューからポテンシャルの高さを感じさせてきた本馬。先述したセントライト記念では、日本ダービー(G1)3着馬のアスクビクターモアを撃破して重賞初制覇を達成した。1番人気に支持された前走菊花賞(G1)は、そのアスクビクターモアに逆転を許す結果となったが、折り合いがつきながら伸びを欠いたレース内容に、陣営から距離に敗因を求めるコメントも出ていた。だとすれば、適距離に戻るココは無視できない存在だ。
18日の最終追い切りでは、栗東の坂路で54秒0-12秒0をマーク。陣営も「すごくいい状態」とコメントしているように、軽快なフットワークを見せた。距離、状態ともに不安がないようなら、巻き返す可能性は非常に高いだろう。
しかしながら、AJCCは1番人気が過去10年で2勝しかしておらず、波乱の傾向にあるレース。昨年も11番人気のマイネルファンロンが2着に入って、3連単の払戻が72万馬券と荒れに荒れたばかり。今回も実力の割に人気の盲点となっている「伏兵の激走」に注意したい。
注目は「超勝負仕上げで参戦か?」と話題のアノ馬
今回、注目したいのは、過去10年で「4-1-3-28」と上々の結果を残している6歳馬の存在。中でも特に気になったのは、昨年の福島競馬場で開催された七夕賞(G3)を完勝したエヒト(牡6歳、栗東・森秀行厩舎)の一発を期待する声だ。
「福島と中山は小回りの右回りなど共通点もあり、求められるコース適性で重なるところもあります。昨年の七夕賞を勝利したエヒトも展開の味方があれば、一発があっても不思議ではないでしょう。
昨年のAJCCは力不足を感じる結果でしたが、当時はまだ成長途上の段階。その後に七夕賞を制しただけでなく、昨年12月のチャレンジC(G3)でも0.3秒差の3着と地力強化を感じられる走り。好調ぶりをアピールしたのが、栗東の坂路で49秒7という破格の時計を叩き出した追い切りです。勝負気配の匂いが漂う仕上がりだと思います。それほど人気もなさそうですし、配当的な妙味にも期待できそうですよ。
オーナーの平井裕氏は昨年の七夕賞で嬉しい重賞初制覇。タイトルをプレゼントしてくれた同馬への期待は大きいでしょう」(競馬ライター)
穴党から熱視線を浴びているエヒト。陣営も「今までで一番いいデキ」と太鼓判を押しているだけに、軽視するのは危険かもしれない。