JRA「ダイワ消滅」を惜しむ声が続出! ダイワスカーレット、ダイワメジャーなど時代を彩った名馬を輩出…ダイワキャグニーの引退で終幕

ダイワキャグニー

 JRAは、2020年のエプソムC(G3)を制したダイワキャグニー(騙9、美浦・菊沢隆徳厩舎)が、18日付けで競走馬登録を抹消したことを発表。現役引退後は馬事公苑で乗馬となる予定とのこと。

 同馬は、9番人気の低評価を覆して初重賞制覇を遂げたエプソムCで、3連単の払戻が421万馬券となる波乱を演出。昨年の京都金杯(G3)でも11番人気で2着に入り、穴党から愛された馬だった。ダイワ軍団を率いた大城敬三さんが、2020年に亡くなったため、現在はご子息の正一さんが所有馬を引き継いでいた。

 また、ダイワキャグニーの引退は同時に、JRAに在籍する「ダイワ」の冠名を持つ馬が1頭もいなくなったことを意味している。

「ダイワ消滅」を惜しむ声が続出!

 これにはネットの掲示板やSNSでも「思い出があり過ぎる」「生産馬と深いご縁がありました」「一つの時代が終わった」など、競馬史を彩った冠名の消滅を惜しむ声も多数出た。

 重賞5勝を挙げたダイワテキサスをはじめ、2004年のオークス馬ダイワエルシエーロ、その他にもダイワパッション、ダイワファルコン、ダイワマッジョーレなど、個性的な顔触れが揃っていたダイワ軍団。

 なかでも一際大きな輝きを放ったのが、ダイワメジャーとダイワスカーレットの兄妹だろう。スカーレット一族の血を引く2頭は、競馬界の盛り上がりに多大な貢献をした。

 兄のメジャーは、10番人気の評価を覆して皐月賞(G1)を制覇。その後に喉鳴りで低迷した時期もあったものの、復活を遂げてから短中距離路線でトップクラスの1頭として活躍した。現役を引退して種牡馬になって以降も、産駒の初G1となったカレンブラックヒルをはじめ、アドマイヤマーズ、レシステンシアなどを世に送り出した。昨年のマイルCS(G1)を快勝したセリフォスもダイワメジャー産駒である。

 また妹のスカーレットは、同世代のライバル・ウオッカと名勝負の数々を演じた。わずか2センチ差の死闘を繰り広げた2008年の天皇賞・秋(G1)は、競馬史上に残る名勝負としてファンの記憶に刻まれ、人気アプリ『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)の登場キャラクターとしてもダイワスカーレットとウオッカの関係は、現役時代を知らない若い世代からも支持を集めている。

 メジロ、タニノ、マチカネ、イブキなど、昭和と平成を彩った個人馬主やかつての名門が有した冠名が次々と姿を消していく競馬界。こういったことも時代の流れとはいえ、オールドファンにとって寂しい話だ。

 だが、そんな名馬たちの血を受け継ぐ仔や孫は、まだまだ健在。血統を遡ると懐かしい名前を目にすることも多々ある。それもまたブラッドスポーツといわれる競馬の魅力といえるだろう。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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