ベタ買いするだけで資金が「倍」に!? あの超優良母馬の仔がまたも新馬戦V
単勝870円、複勝280円は相当おいしかったかもしれない。
22日、中京3Rに行われた牝馬限定の3歳新馬戦(ダート1200m)は、鮫島克駿騎手の5番人気スクルプトーリス(牝3歳、栗東・松下武士厩舎)が直線で力強く抜け出して勝利した。
フルゲート16頭で争われたレース。スタート後すぐに行き脚のついたスクルプトーリスは、好位3番手を追走。前半600m通過は35秒3とそれほど速いペースではなかったが、4角では手綱を激しく動かしながら最後の直線に入る。
鞍上に追われるごとにしぶとく脚を伸ばすと、ラスト100mで前の馬を交わして先頭に躍り出る。最後は後続を2馬身突き放しての完勝だった。
「最終コーナーでだいぶ手が動いていたので手応えをやや心配しましたが、杞憂でした。調教本数もまだそれほど多くなかったようなので、今後の上積みは相当に見込めるのではないでしょうか」(競馬誌ライター)
まだ仕上がり途上にも思える中でデビュー勝ちを決めたスクルプトーリスは、ジャスタウェイ産駒。同種牡馬は昨年の東京スポーツ杯2歳S(G2)を勝ったガストリックや先週の京成杯(G3)で1番人気に推されたセブンマジシャンも輩出しており、この世代はなかなかの当たり年と言えそうだ。
また、スクルプトーリスの兄姉にはダート重賞2勝を挙げたロードゴラッソや、2013年の秋華賞(G1)で3着に入ったリラコサージュ、芝のスプリント重賞で2着が2回あるレディルージュなど活躍馬も多くいる。
今回は砂で初陣となったが、兄姉を見る限りでは芝ダート兼用の血統でもあるだけに、今後は芝を試してみるのも面白いかもしれない。
ベタ買いするだけで資金が「倍」に!?
なお今年で23歳を迎えた母サッカーマムの産駒は、この勝利により新馬戦5勝目。計11頭が出走して【5-1-2-3/11】勝率45%、複勝率72%は目を見張るような成績だ。
さらに単勝回収率は484%、複勝回収率でも195%という高い数値になっている。つまりサッカーマムの仔を新馬戦で見かけたら、複勝をベタ買いしているだけでも資金が倍に増えるという計算だ。
「成績面でも配当面でも超優良と言えそうな母サッカーマムですが、今年の1歳にはサンダースノーとの間に生まれた牝馬がおり、早ければ来年にもデビューを迎えることが予想されます。
これまでサッカーマムの産駒に注目してこなかった人も、今のうちから覚えておいて決して損はないでしょう」(同)
鮫島駿騎手はレース後、スクルプトーリスについて「前に目標を置いていい内容のレースができました。今後が楽しみです」とコメント。管理する松下調教師も「初戦としてはいい競馬ができた」と、本馬の走りを評価した。
兄姉たちは古馬に至るまで長きにわたって活躍を続けるなど、成長力に富んだ一族でもある。これからも長い目で期待してみたい1頭だ。